表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寒さ嫌いの氷魔術師  作者: カフェイン
第二章 任務編
12/23

反対派 面倒事の予感

「・・・・ということが、今回の本当の任務だ。あと、騙していてすまなかった」


教室に戻り、護峰院改め、咲がみんなに嘘をついていたこと、なぜ嘘をついていたのか、そして正人を委員長にするということを話した。

クラスのみんなも、初めはざわついていたが咲の説明と最後の謝罪により納得した様子だった。


「では、氷村正人を委員長に任命す・・・・」





「俺は反対だ」


咲が正人を委員長に任命しようとしたとき、教室の右の方から男の声が上がった。

髪は茶色がかっていて身長は180㎝ほどの長身の男だった。

どうやら咲と知り合いらしい。


「何が不満なんだ。浮谷」


後から咲に聞いたのだが男の名は浮谷海斗うきやかいとというらしい。

去年の秋から1組にいたらしく、今回のクラス替え試験ではギリギリ一組に残れた。

勉強が苦手だが実技の成績はかなり良く、去年はクラスで暴れていたようだ。


「不満も何もそいつら全員前に1組にいなかったじゃんよ。そんな奴らに1組の委員長を任せられるかってんだ」


と不満なことを全く隠さず言い放つ。


「以前がどうあれ関係ないだろう。委員長の私が選んだんだ、文句があるのか」


咲は全く動じずに言う。

もう一人の委員長を選ぶ最終決定権はもともとの委員長にある。

本当は誰にも言わずに勝手に任命をしていいのだが、今回はことがことのだけにみんなに確認を取ることになった。

仮に今回の任務がなくとも、咲ならばみんなに言うであろうが。

咲に正論を言われ浮谷が怯んでいると。



「私も不満・・・・・。」


と、もう一人不満を持つものが現れた。


「お前もか、弥生」


弥生といわれる女が無言でうなずく。


(こいつは覚えがあるぞ。たしか、咲に続いて総合成績が高かった人だな。

たしか名前は小野寺弥生って言ったっけ。)


小野寺は一年の初めから1組に入っているので咲とは顔なじみである。

なので先ほど咲も下の名前で小野寺のことを読んでいた。


「その人たちは委員長の資格はない・・・・・。委員長は別のひとがやるべき・・・・・・。」



(弥生にも反対されるとわな、どうしたものか。)


二人の知り合いから言われ少し悩む咲。

もちろん正人を委員長から外すつもりはないのだが、二人の、しかも片方は学年次席の人物に言われると流石になにかしなければならない。

どうするべきかと悩んでいると。



「あなたたちは正人のことを知らないのになんでそんなこと言うの!?」


「そうです。それに咲さんも言ったように今は1組じゃないですか。資格なんて今この教室にいることで十分じゃないですか!」


なんと、光と星姫が二人に向かって大声で叫んでいる。

友達のことを悪く言われたからか、はたまた別の理由からかはわからないが、かなり怒っていることがわかる

浮谷と小野寺が抗議してた時も何も言わなかった二人があわてて光と星姫を落ち着かせている。

おそらく正人と俊介は抗議があがることは予想がついてたのであろう。

しかし、女子二人の抗議には予想がつかなかったらしくあわてている。



「おい咲、あの二人何とかしてくれ。俺が何言っても止まる気がしない」


「あそこまで起こるなんて僕も思わなかったよ」


正人と俊介が困ったようにこちらに話しかけてくる。

どうやら相当怒っているらしい。

正人と俊介が止めることができなかったのは咲も驚いた。


こんなことを考えている間にも光、星姫、浮谷、小野寺の喧嘩(?)は激化していき・・・・


「あなたたちは正人君の強さを知らないからそんなことが言えるんです」


「はっ、あいつが強い?寝言は寝て言いやがれ」


「正人にかかればあんたなんて瞬殺よ、しゅ・ん・さ・つ」


「浮谷が簡単に負けるはずがない・・・・・。私と浮谷が組んだらあなたたち4人なんて一瞬・・・・・。」


「なんですって。あんたたちなんて私と正人で十分よ」


「じゃあやってやろうじゃねーか。今から闘技場来いよ」


「上等よ、正人、行くよ!」



いつの間にか決闘の申し込みをしていた。


「行くよじゃないから。なんで決闘しなきゃなんないんだよ」


「いいから行くの。あいつらに勝ってボコボ・・・委員長の座を取り戻すの」


「そうですよ正人君、ギタギ・・・・懲らしめてやってください」


「・・・・なあ俊介、ボコボコとかギタギタとか聞こえたのは気のせいだよな」


「僕もそう思いたいとしか言えないね」



かなり、頭に血がのぼってるようである。

特に光なんて目が狩人のめになっちゃってるし。


「いや・・・・・・でも・・・・そうだな」


その中で咲は何かをつぶやいている。

それに気づき正人が話しかけた。


「咲、どうした」


「正人、戦ってきてくれないか」


「なんでだよ、お前まで壊れたのか」


「違う!正人と光が組んで戦って勝てば、お前たちのことを皆にわからせることができると思ってな」


少し咲が怒った。


たしかに、浮谷と小野寺に勝てば委員長として認めることができるが、

確実に勝てるという保証がない。

それに、光まで巻き込むのはどうかと思うので、正人は戦わないつもりでいた。


「でも、勝ってもどうせ難癖つけてくるんじゃないの」


「だから、皆の前で戦わせるんだ。そうすればクラス全員が正人の力をみることになる。」


要するにこの騒動を使い、クラスに正人のことを認めさせる魂胆である。


「でも、確実に勝てるかはわからないぞ」


「私は正人と光が勝つと信じてるぞ。それにお前もムカついてなかったわけではないだろう」


咲が挑戦的な目で見てくる。

こいつは・・・・

そんなこと言われたらやるしかないじゃなか。


「わかったよ。やってやる。俺も少しはムカついてたところだ」



「そう言ってくれると思ったよ。みんな、全員15分後に闘技場にきてくれ」


咲の言葉でみんなの前で決闘をすることになった。

どうせやるなら、思いっきりやってやる。

そんなことを思いながら正人も闘技場の方へ歩いて行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ