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トリニティ・ゼロ  作者: 人未満
3章 王都
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87 疑問

「ぬあ?!ここは……」


「王都の隠れ家だよ♪アヤ兄♪」


気を失っていたアヤを連れて、トレイシーとリマは王都へと帰還していた。


「そうか……あいつは、なんだ?」


「あいつ?あのあく……管理者のこと?」


「管理者?」


「うん♪ダンジョンの管理者って言ってたよ♪」


「管理者か……あいつ、俺の(スキル)《ノック》の応用技、意識を飛ばす《ノックアウト》を使いやがった……それも、俺より完成度が高い」


「へぇー、それでアヤ兄は気絶しちゃったのかー」


「ああ……」


「アヤ兄の(スキル)はそこまで難しくないでしょ?」


リマの言う通り、アヤ自身が編み出した(スキル)でありながら、決して真似できない類のものではない。誰かが先に思いつき、使っていたとしても不思議ではないのだ。

アヤは無理やりそう、納得した。


「……そうだな」


一方、トレイシーは魔道具でクレイドに連絡をしていた。


「あんたに聞きたいことがあるの。クレイド」


「何でしょうか?トレイシーさん」


「あんたに教えてもらった召喚の儀式をしたら、戦神じゃなく、ダンジョン戦神の試練の管理者が現れたわ」


「そうでしたか」


素っ気ない返事に苛立つが、続きを話す。


「……それに、こう言っていた『戦神は今はいない、巨剣を引き抜く者が現れた時に戦神も復活するであろう』ってね」


「おや?そんなことを言っていたのですか」


「一体どういうこと?あんたは……何を知っているの?」


「おや、トレイシーさん、あなたは興味がなかったのでは?」


「ええ、そうね。アメリオ王国が滅べば、戦神が何者かなんてどうでもいいわ。あなたが何かを隠していることもね……それでも、あなたから聞いてた話とは違ったのが召喚された。いいから説明しろ!クソ野郎!!」


「私にもわからないことはあります。ですが、問題なくスタンピードは起こせるでしょう?何を教えろと?」


トレイシーは苛立ちながら、一つの推測をクレイドに尋ねた。


「……戦神は、魔王なの?」


「ふふっ、それについては、私にも断言できません」


クレイドは淡々と告げる。


「ただひとつ確かなのは……戦神とは、神の名を騙った、神のような力を持った何者か、ということです」

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