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トリニティ・ゼロ  作者: 人未満
3章 王都
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76 ウルト習得への道

朝の騒動は王宮に広まっていく中、部外者であるレオにはできることはない。


護衛兼師匠のナズ騎士団長と共に訓練場へと向かう。


「今日はクロノア王子に勝つ予定だったのに、残念」


レオが肩をすくめる。


「致し方ありません。クロノア王子は朝の騒動でお忙しいでしょうから」


ナズ騎士団長が静かに答えた。


「仕方ないですね。師匠、ウルトのことで相談したいんです」


「そうですね。基本的には使い慣れたスキルと魔法を合わせたウルトを覚えるとよいですよ」


「アヤの精神支配を解けるウルトを――」


レオがどういったウルトを身に付けたいか話そうとすると、レオの言葉を遮るように、ナズは首を横に振った。


「アヤさんの精神支配を解くのは、出来る者に頼む方が早いですよ。問題はそこではなく……敵がウルトを使う以上、レオもウルトを身に付けないと戦えないということです」


「……なるほど、確かにそうですね」


「ウルトとは唯一無二の力です。例え同じスキル、同じ魔法を選んでも、私とレオでは全く違うものになります」


「違う?」


「そう。似てはいても別物です。だからこそ、精神支配を打ち破る力が宿る可能性もありますよ」


「それは、面白いね」


「それでは初めに、使い慣れたスキルと魔法を同時に発動する。そこから始めましょう」


「!同時に発動するのがウルトだと思ってたよ」


「よくある勘違いですね」


レオは自分が使い慣れたスキルと魔法を思い浮かべる。


「スキルは《ブレイブソード》と黄金の目……かな?《覚醒(リゾルヴ)》はまだ使い慣れてないですね。魔法は、回復魔法の《ヒール》が一番使い慣れてると思います」


「加護による身体強化、防御結界、自己回復もスキルですよ」


「そっか。それもスキルなんですね。あまり使っているという感覚はなかったです」


加護によって常時発動しているため、レオは意識していなかった。


「ええ、それが加護の強みですからね。同時発動するには、一度切ってから再度発動してください」


「わかりました」


レオはひとまず身体強化を切って、回復魔法(ヒール)と同時に発動しようとする。


しかし、思ったように同時発動することができない。


「……!」


(これは……想像以上に大変だ)


「ふふっ、難しいでしょう」


「はい……」


「一つ一つ整理するといいですよ。まず、加護の力で最も大事なことは祈りです。祈りながら回復魔法を発動してみましょう」


「祈り……」


(そう聞くと簡単そうなんだけど……やるしかない。ルセリア様……僕に力を!)


レオがいつも通り、手を胸に当てて祈ると同時に回復魔法を発動しようとするが


「失敗ですね。今のは同時発動ではありませんよ」


どちらも発動はしたが、同時ではなかった。


「……身体強化だと、発動する瞬間がわかりにくいですね」


「他のスキルでも試してもいいですよ」


色々と試していくが、どれも上手くいかずに時間だけが過ぎていく。


レオのウルト習得への道はまだまだ始まったばかりだ。

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