二話 作戦
「100人ちゃんと集まってくれたな」
広場で集まっていた。
「これからの作戦を説明する!」
俺は今回の作戦について説明を始めた。
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「以上だ、質問はあるか?」
兵士の大半は驚いているが少数のいかれ野郎たちはニヤニヤしていた。
「ルドベール様が予想される期間と兵士の被害状況を教えてほしいです」
ルイカは質問する。
「勝つには一年、負けは5日だ、兵士の被害状況は戦況によるが勝った場合は...いいか、負けた場合はほぼ全滅だ」
「ベールさんよ、勝つ場合も教えてもらわないとな、暴れることなんて無理だぜ」
(その通りだ、しかも大事な役割を担っている者から言われているんだ)
ルドベールに敬語を使わずに話しかけているのは暴虐の大剣と異名がつけられているヴィルディ。敵味方関係なく殺したことにより軍の規律が守れないとしてこの護衛隊に移籍させられた。
「そうだな、死ぬことになるのは一人だけだ、しかしクロド村撤退のタイミングを間違えればさらに一人死ぬことになる」
「確定しているんだろ?なら...俺か、死ぬことになるのは」
(気付くか)
「ああ、そうだ」
「よくも淡々と言えるもんだ、さすがだな」
「...他にあるか?」
誰も質問はしなかった。
「昼と夜の交代制で行う!クロド村は担当者はガルで兵士は20人だ、クリーム村とソ村は俺が担当するこっちは10人でいい、ハ村はヴィルディだ、残りの70人だ、以上」
ハ村というのは急遽、つくることになった村の名前だ。兵士の数を見ればわかるが結構大事になる村だ。
「私ですか、死ぬ可能性が高いのは」
「ああ、そうだ」
ブラッドウェッドという異名をもつガル。ジソ皇国に現れた殺人鬼だった、死刑判決が下ったが俺がもらった。有効活用するために。
「他者の死にも疎いのか、わからないですね」
「あんだが言うな」
「そうですね、私殺人鬼でありましたので」
ガルは殺人鬼でありながらも信頼できる人物ではある。
「今日はゆっくりと食事をとり、残り二日間準備をすること、よいな?」
「「「はい!」」」
兵士たちは返事をした。ヴィルディであっても返事はしっかりしている。
「リンは食事後、セリム村に行くように」
「はっ!」
俺はそうして宿に向かうふりをしていて、セリム村に向かった。
この戦いは総指揮官である俺の名前が相手に伝わってはいけない。なぜならこの戦いが事前に起こると予想されていたことを隠すためだ。さらにここまでしてディル王国の学校、軍事学校に行きたいのは単純でジソ皇国の軍事学校は最悪でしかないのだ、私の父ことダークがどうにかしてくれるだろうという精神があるため、ダラダラと練習している者が多く、さらに国の情報規制をしているため、なぜ戦いをするのか分からないことがいつもある。
それと比べてディル王国はしっかりと兵士と必要な技能はもちろんのこと、歴史や地理などを学べることがあるなどジソの士官学校よりも格段によいのだ。
ひとつ付け加えるなら、俺はこの国を見限っている。確かに英雄いるならば国家の戦力が大きく変わるように強い力は大きな影響を与える。英傑であってもそうだ。その強い力に依存していないか?というのが思い浮かぶ。ジソ皇国は依存している。
そこに俺のような英雄がいると知られるとこの国はますます腐り、特別な力による侵略が行われるだろう。もし俺が英雄と明かせば、ダークはディソ大陸にあるもう一つの国、オウカに宣戦布告しかねない。勝てはするだろうが支配は一代で終わることになる。だから俺は見限った。
他国ならジソ皇国よりも英雄に対する扱いは上手だと思う、英雄がすでにいるアカシリア皇国、リルリ皇国の二か国は英雄や英傑の運用がうまく大国に上り詰めた。それに見習って他国も運用の仕方を変えた、ジソ皇国以外は。
結局は俺は身の安全がほしいのだ、いくら英雄といえど死ぬ時は死ぬ。ジソ皇国にいると常に気を張らないといけない、隙を見せると他の兄弟から刺されるから。今までも何度も刺客を向けられたものだ。
セリム村に着くと早速、滑走路に向かう。
戦闘機の運用ができるほどの大きさなのかを確認する。
ディル王国軍からこの場所を隠すため、ギリギリに作られていた。
要望通りだな。戦闘機を自分の異空間から出す。戦闘機の動力は闇の魔石を使っている。闇の魔石は俺が作りだしたもので相当苦労した。
それからリンが来るまでのんびりと待つことにした。