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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
泣かせるの章

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71/71

なきやむ


「・・・確かに、油断してたおれが悪い。だから、おまえなんかに刺されちまうし、――」


 またしても、そういう方向にいきそうな言葉を拾い、下がった足をとめた。


「――その、・・なんだか・・とにかく、・・・おまえが、あんなのに取り込まれたら、おれが、・・・従者がいなくて、・・困る」



 ―― やっぱり・・・・スザクは、スザクだった。



 頭を振り、笑う絵師は、それでも、嬉しそうに坊主をみあげるシュンカを見て、扉をそっと後ろ手にあけた。



「 スザクさま 」

「あん?」


「 よかった・・・」

「わあ!どうした?なんで泣く?ちょっとまて。おれが助かったのが、悲しいのか?それとも痛いのか?おい!テツ!どこ行くんだよ?なんだか、泣かしちまった!」


「あ~いいから。ぶっとばさないから、そこでおまえは困ってろ」


 なんだよそりゃちょっと待て!と叫ぶのに、絵師は扉の向こうへ消えた。



 


 残された坊主は、ベッドの上で、顔をおおい、声を殺して泣くシュンカをながめ考えた。


 この子どもが、ここに来てから、夜中にこうして泣いていることは、坊主も知っていた。

 ときどき、心配した絵師が、いっしょに寝てやっていることも。



 ――あれ?


 今、なんだかどこかが、むっとした。


 なんだ?子どもが泣くことか?

 いや、それは、別に、・・・・。



「んん?・・おい、シュンカ」

「・・は、・・い・・」

「あのな、なんだかわかんねえが、今度から泣くときは、おれの部屋に来い」

「っつ、・・スザクさまの?・・」

「お前は、おれんとこで泣け。そうすれば、 ―― おかしなもんに同調もされねえだろうし、テツが・・・、―――・・・うんん?」



 首をひねりだした坊主を、顔を赤くしたままのシュンカがうかがう。


 ぱ、と眼があった。


 焦るシュンカの顔を、ごつい手がひとなでして水を拭う。




「 ――よくわかんねえが、まあ、いいか」


 このとき、扉のむこうに、たくさんの耳があったことは、言うまでもない。










    ――――――― 伍の宮を、毎夜のようにふるわせていた泣き声は

                

                

                

                

                

                

                

                         もう、聞こえない。





目をとめてくださった方、さいごまでおつきあいくださった方がいたら感謝です!ブクマなどつけてくださった方もいらして、うれしいです!

どれもゆるふわ設定でもうしわけないです。。。

ありがとうございました!

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