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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
鳴(なく)の章

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59/71

怒りに気付かず

残虐描写あり。ご注意を


 こちらに手をださずとも、追いかけられるように同じ速さで進むテングどもに、誘導されたようにすすむしかない。


 それでも、一瞬で選んだ枝をめざし掴んででわたり、ねらわれやすい直線移動はさける。



 が、ひらけたそこで、奥の木々の間から、刀を構えた坊主が飛び迫ってきた。




 がつん、と振り下ろされた刃をとめたのは、耳元までさけた口にならぶ、さきほどあらたに生えたばかりの、ふぞろいな歯だった。



「もし、天宮に着けたとしても、てめえが、あの化け猫に喰われて終わりだぜ」

「 ――――っぐ!! 」


 坊主が諭すような声音で下ろす刀は、そのままホムラの口の中へ押されてゆく。


 ぶちっと音をたて、耳近くの口の両端に、刃がくいこんだ。




 感情を表さない眼をした坊主の『気』が、濃く乱れ、ゆれている。

 

 これが、《怒り》だということを、当の男は気付いていない。



「 ―― それにな、シュンカを喰うつもりなら、まず、おれとテツを喰ってからだろ?」


 にい、と笑うその様子は、とても坊主とは思えなかったが、これがスザクだ、と離れた枝からセイテツは苦笑した。

 

 自分の怒りに気付けないほど鈍く、静かな『動』で威圧する。




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