得意の術
をうううおおおおおおおおををををん
ないた『土釜』が、からだをゆらし、空へとのびあがる。
その空に、黒い点をみたホムラは嫌なものを目にいれた顔をする。
「 ―― あの影は、テングか。・・・高山め・・・」
むかってくる黒い影に気をとられているとき、視界がしろくなる。
「っ!?」
紙一重でよければ、いつかのような巨大な《氷塊》が、土釜と自分の間に落ちた。
続けて出された鋭い氷には、ひっかからない。
「 ―― さすがに、同じ手は通じないか」
「伍の宮のセイテツ殿は、ずいぶんとえげつない術をお好みだ」
「てめえに言われたかないね」
巨大な氷塊の上に絵師が立つ。
高い音でその塊がくだけ、飛びずさる絵師に火が襲い掛かかる。
一瞬で包まれた男が燃え尽き、焦げた木札が転がり落ちた。
「お得意の札、真似てみたよ」
いつの間にか、ホムラは背中をとられている。
冷たい刃物のような氷を喉に突きつけられた。 が、
「得意なのをご承知なのに、―― 甘い」
背中を取ったセイテツはすぐにホムラから離れる。
ホムラだった男は火を吹き、はじけ飛んだ。
「っだと思った!」
セイテツが光った両手を合わせ、輝きを後方に放つ。




