表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/71

黒から出(い)でる


   ―――――――――――――――――――――――――――







 『黒』から生まれたような男だと、ギョウトクはその男が闇から現れるときに感じる。


 いや、正しくは、これは、その男の《写し》だが。




「これはまた、ホムラ殿。いかがなされました?」


「ギョウトク殿、ようやく山より降りられたか」



 部屋の壁、隅にできた影。


 そこから抜け出た男が、すごみのある笑顔をむけてくる。




「―― 愚僧とて、いまだ修行中の身でございますゆえ、そうやすやすと高山たかやまをおりるわけにはまいりませなんだ」


「ふん。その足のゆく先が、このようなチゴ遊びの場とは笑わせる」


「息抜きは、誰にでも必要でござりましょうて」



 足元に寝転ぶヤッコが羽織っていた着物を、腰に巻いただけの坊主は、くいっと猪口をかたむけた。



 黒い男は鼻にシワをよせ、部屋に散らばった着物や徳利やら、湿ったままのしとねをにらみ、むこうに抱き合ってねむるやっこ二人をみやってから、ギョウトクを見た。



「次の、餌はどうなっている?」


「ああ。それ・・・なんですがねえ・・」


 まだ中身が残っていそうな徳利に手をのばす。傾け落ちた数滴をふりながら、坊主は笑ってしまった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ