表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
涕(なく)の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/71

おれのせい

 

 まだ震えのおさまらぬからだを抱いていた絵師が、いきなり突き飛ばされた。


「・・・しゅ、シュンカ?どうした?」

「ご、ごめんなさい・・・おれが、スザクさまを・・・」


「あいつはどうみても大丈夫だって。ほら、あの顔見ろよ」

「お、おれ、・・・みんな・・・おれの、せいです・・」


「・・・なんだって?シュンカ?」

「みんな、 ―― みんな、おれの、せいなんです!!」


 興奮したように、なくなった両親や里人、子犬に謝りだすのに落ち着くよういいきかせ、また抱え込もうとしたのに、後ろからのそりと大きな影が寄る。


 スザクに見下ろされたシュンカが怒鳴った。



「お・・・ ―― おれ、もう、天宮を出ます!」

「なら、おれの、従者はどうなる」


「っ、・・もう・・できません」

「なぜだ?」


「だって!スザクさまを、刺しました!」

「それで、できねえってのか?」


「・・・それに・・、おれがいると・・・『災い』が・・・、みなさまにきっと、ひどいことが」

「ひどいことってなんだよ?親が死んで、帰る里がなくなって、かわいがった犬も奪われ、一緒に働いたやつが妖物になるってやつか?」


 スザク!!と絵師のとがめなど、坊主の耳には届かない。


 シュンカは水の溜まった目をふせた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ