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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
涕(なく)の章

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39/71

あのときと同じ

    


              ※ ※




            にげろ にげろ   




    ―――― 逃げ切れるとおもうなら、さあ、逃げてみろ

 

 あのとき、里を訪れ、火を放った黒い男が言ったのだ。



 身体に刺さった矢を引き抜き、シュンカを抱え、棍をかまえたリョウゲツに、おもしろそうな声で。


        にげろにげろ  と。


  

  


   気付けば、立ち止まり、シュンカは、またしても剣を持っている。





    剣先をたどれば、いつのまにか現れ出でた、あの、黒い男。




        「 どうした?ここまでか? 」


  

       あのときと同じ、黒い笠、黒い着物。

  

    闇にまぎれているのに、声だけが、明るいのだ。




「 そんなものを持ってどうした?わたしが、父親の仇だとでもいうのか?死んだのは、―――おまえのせいだろう? 」


「うるさいっ!!」




「 いや、違うのか。そうか、おまえ、悔いているのか。おまえのせいで、人がたくさん死んだのを 」


「 だまれ!!」




「 そうよなあ。父親母親、他の里人。そのあと天宮に移れば罪のない子犬、それにかかわった若者たちも行方知れず。果てには役神までもがおまえのせいで、姿を消した。 ―― ずいぶんと、ひどいことよなあ 」


「そ・・それは・・・」



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