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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
涕(なく)の章

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38/71

おまえの近く

『ゆらぐ』にでたカイがおでましです。嫌なことしか言いません。。。



      『 おれが今、どこにいるか 教えてやろうか? 』



 聞きたくもなかった。

 息苦しい胸をおさえながら、どうにか立ち上がる。



    『 おれはな、この闇の中にいる ほら おまえの すぐ近くだ 』



 ふありと風のようなものに首をなぜられあわてて拭い、とにかく走る。



       『 おまえの あの 汚い犬も ここだ 』



「リン!?」


立ち止まり、きゃん、と響いた鳴声に、ついその名を呼んでしまったが、 ―――。




「―― ・・・そんな、わけはない。リンと、おまえが、同じところになんて、いるわけない」




    『 ほお それなら この犬  

                またしても 手にかけるか?』



 先ほどよりも高く響いた鳴き声に、シュンカはぎゅっと拳をにぎる。




「惑わされない。―― コウセンさまがおっしゃってくださった。 リンとおまえたちは、例えこの先何があっても、同じ場所に存在することはないって」



   リンは、これ以上怖い思いは、ぜったいにしねえからよ。――約束しよう




   

     『 そうか おまえ またしても   

                   みすてるのか ? 』



「 ――――― 」

 振り切るように足をはやめた。


 


       『 おお 卑怯者はいそいで去るのか 

        それはいい  父親をみすて 犬をみすて 

              そうだ 役神さえも みすてたものなあ 

   

                    おまえは 逃げてばかりだ 』



「っつ!!」

 早く、スザクさまを見つけなければ ―――。


   


      『 ここまでいわれて くやしくもないのか

          おまえの父親は 最後まで戦ったというのに 

  

         ――― 逃げるだけのおまえは 

                   まわりの人間を不幸にするぞ 』



「だまれ!!」

 スザクさまを、めざすんだ。






 ――― 逃げろ逃げろ 



 はやしたてるように、声が闇を震わせた。





                  ※ ※






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