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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
涕(なく)の章

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37/71

本物めざし



「あ、アシ?」


「わたしの『力』では、どうにかシュンカをここに押しとどめるまでしか、できぬ。むこうはどうしても、おまえをもち帰ろうとしているのだ。はやく、自分の力で帰るんだ」


「でも、どうやって・・・」

 見回せども、あたりは黒一色だ。



「惑わされるな。おまえはただ、本物のスザク様をめざせばいい。 さあ、早く ――さっき、寸前で気付いたように、おまえの知るあの方をさがせ」


「でも、・・・あ、アシは?」

 その姿は、刻々と黒に溶けて消え続ける。

 


         また、  ――  消える。

 


 思わずのばした手を、相手がつかみ、抱き寄せられた。



「 ―――わたしは、幸せだ。最後にこうして、シュンカを守ることができて。 さあ、セイテツ様と本物のスザク様が、おまえを待っている」



今度は、突き飛ばすように離された。



「   シュンカいそげ! ここは  あの男の   縄張りだ

            

               あの  黒い ――― 男 の  」

 


 ぐずり、と溶け消えたのを見届けて、とにかく走りだす。



            



             ※ ※






とつぜん、

 足を引かれて勢いよく転んだ。


           『 おまえ ずるがしこいな 』




「っ!?」

この言葉と重く暗い声は ――――。




      『 もう忘れたか?おれだ 行方知れずになったカイよ 』

 



 とたんに、身体が動かなくなる。

 あのときを思い出し、脂汗がにじみだす。




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