表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
涕(なく)の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/71

星もにじむ





  ――― なくの章 ―――








   ウヲオオオオヲヲヲヲヲオヲオオオンン  ウヲヲヲオオオオンン





「っな、なんだ?」

 飛び起き空を見上げる。


 夜空を震わせて響きわたるこれは、明らかに、泣き声だ。


「――これが、おまえが言ってたやつか?」



 シュンカと同調し、『気』を持ち去るという ――。



「なんか違うが、きっと、前と同じやつだ」

 しっかりとシュンカを抱え込んだ坊主も、空をにらんだ。

 




  ウヲヲヲオオオオオヲヲンン 

        

         ウヲオオオオオオオオオヲオヲヲヲン


        


    空が震え、星も震える。






「スザク、さま」

 

 抱えこんだ胸のあたりから呼ばれる。


「おう、起きたか。―― つかんでろ」

 もっていかれるな、と言った男は、もっていかせまいとするように、抱える腕に力をこめる。



 言われたまま坊主の着物をつかんだ子は、震える天をあおぎみた。



   星が、揺れている。



 さきほどまで、一つ一つがはっきりと輝いていたそれらが、水に漬けたかのように、にじんでいた。



「―― 泣いて・・・います」



 そのとき、震える泣き声が、ひときわ大きくなった。



「 っ、」

 身体をこわばらせたシュンカが、耳を塞ぎ、セイテツが叫ぶ。



「シュンカ、意識をそらせ!」



 



             ※ ※






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ