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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
吟(なく)の章

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31/71

思い出すだけで






 『鳥』は、戻ってこなかった。


「 ―― だが、方向はもうわかる」

「ああ、このえげつねえほどのどぎつい『気』だ」


 二人は一方向をみて、うなずいた。

 


 『鳥』が、術を解かれたのを感じ取ったセイテツは、すぐにその場で休むことを決めた。

 

 なにしろ、もう、方向はわかっているのだし、むこうから動く気配はないのだ。



  ――― あきらかに、こちらがむかうのを、待ちわびている。




 あの、黒い男を思い浮かべた。


 一度すれ違ったことのあるケイテキも、確かにかかわりあいたい類の人間ではない。

 ないが、



  ―― あれはどう見ても、人間だった。

 



 シュンカと出会ったとき、父親のリョウゲツを襲っていた男の声も気も、場違いな明るさと、抑えきれぬ喜びをにじませていた。



 思い出すだけで、じわりと汗がでて、血がのぼる。



 妖物を前にしたときのような、緊張と、興奮と ――――。




「テツ」

「っ、な、なんだよ?」


 焚き火をぼうっとながめていたら、坊主によばれた。



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