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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
吟(なく)の章

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29/71

喰われる

すこし流血的場面。ご注意を



 ぼこん、と眼下のモノが泡を吐く。



 うまそうじゃねえなあ、と将軍がつぶやく間に、二枚目がはずれた。



 ぶく、と小さな泡がわく。



 熱くってやけどしねえか、というそぐわない心配も、この男の場合は強がりではないのをホムラは知っている。



 平気でしょう、と三枚目を取る。


     

       「――ああ、しかし、」



 そこで、四枚目をはがした。




     「  喰われる場合は、わかりませぬっ!  」


     「ホムラっ!!」


  出した木札にケイテキが目を見開いたのと、五枚目をはずしたのが同時。



 ためらいもなく、叩きつけた札が、将軍とつながった腕を一瞬で吹き飛ばす。




         

 ぶあつい舌のように伸び上がったモノが、あっという間もなく、よろめいたケイテキの体をさらった。



      「   封   っっ!!」



 再度の結界で『蓋』をつくり、さらに出ようとしたモノを押し戻し、落ちるようにホムラは倒れた。



    「―――っく、・・・は、はは」



    片腕を失った男は、地面に転がり、天を仰ぐと、声をたてて笑いだす。

 


   笑いながらはいつくばって、蓋をした《土釜》をのぞきにいった。

 




 かきまわされるようにうねるそれに、熱で溶けゆく男がみえた。


 見えない蓋を、ホムラは残った左の手で撫でる。




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