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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
吟(なく)の章

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25/71

『 穴 』


       ――――――――――――――――――――――








   勝手なまねを ―――。




 足元のそれが連れ帰った『鳥』をつかみよせ、握りつぶせば白い紙は燃え上がる。


 黒い闇に同化する男は、燃え尽き固まったそれを、煮立つそこへと投げ入れた。

 


   グギョッブ ゴゴゴゴブ

 

 

 足元が揺れ、苦しげな音と泡が沸き立った。

 


  「 ―― わたしが、与えるものでは、不服か?」

 


 黒森のはずれに大きな『穴』をあけ、そこで《土釜つちがま》の術をはじめた男が、『穴』を満たす、どろりと黒い『モノ』に問う。



 五重に張った結界の中、それが、ぼこり、と揺れた。




        フ フク フフクカ ダ  クダ タリ 

              タリナイ イ  ヨ   ヨコ セ   




  「――ふん。足りないだと?」



 

       ハラ         ヘル ヘルルヘ 

           ヘッタリ   タ    タリ    ナナイ 





  そうだ。

  その飢餓感こそが、大事なのだとホムラはほくそ笑む。 



「 ―― たしかに、そこまで大きくなれば、餌も多く必要だ。 だがいいか?おまえを創りだしたのは、このわたしだ。 ――― おまえは、わたしの『術』だということを、教えてやろう」


 懐から出した木の札を、足元の『穴』へと投げ入れた。


 飲み込んだ『穴』が、ぼこぼこと小さく泡をふいたと思えば、いきなり狂ったような叫びと泡をたてはじめた。


 『穴』の中身が、火を抱え、橙色の火の粉をとばす。

 


「 ―― いいか?腹が減ったからと、勝手なまねをするなよ。 待っていろ。おまえはわたしが与えるものだけを、餌にしていれば良いのだ」




 ぼこりと泡を吐き出した『穴』は、消える気配もない火を抱え、

      

   ―― 震える。

 



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