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まとわりつく
「いいか、シュンカ。こっから先、『もしも』ってことがあったら、頼んだぞ。なにしろテツは『気』のゆがみに呑まれやすいし、そうなりゃおれが殴るより、お前があいつの頭を撫でたほうが、覚めるのがはえぇ」
「ああ、それはおれも頼みたいねえ。心地よく目覚められそうだ」
「――はい!」
ここに来てから、初めてシュンカの『気』があふれるのを感じた。
すぐに、坊主が上をむく。
「―――きやがった」
黒い男ではなく、あの『震え』だという坊主の言葉に耳を澄ますが、セイテツにそれはわからない。
シュンカがこわばったように息をつめ背をのばし、その背をスザクが腕をまわして囲い込む。
「・・・つらいかもしれねえが、意識を保てよ。このままいくぜ」
子どもを抱えなおすようにして、歩き出すスザクは、その腕に力がこもるのを、初めて意識した。
かかえこんだ暖かいその存在を認知する。
後ろ斜めからくるセイテツが、しきりと苛立っている。
空を《震わす》それが、シュンカにまとわりつくのを感じる。
―― まとわりつき、シュンカが『ふるえ』だすのを誘い、 ―― 待っている。




