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おとぎばなし ― 鬼哭(きこく) ―  作者: ぽすしち
吟(なく)の章

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19/71

人でなし



 ケイテキは、己を人間だと思っている。


 ゆえに、人間でないものを、理解しようとは思ってもみない。



 ホムラが自分に従っているのは、禁を破った神官を『買い取る』と天帝に申し入れ、ミカドがその場でいつものように、「そりゃいい。ホムラは今から西の将軍に従え」と“くちだし”したからだ。


 天帝の言葉は絶対だ。

 いくら人間ばなれしたホムラでも、その枷から逃れることはできない。

 


 にやけた、整いすぎる子どもの顔を思い出す。

 あれほどの『力』がありながら、なぜ、人間を支配しようとは思わないのか、わからない。

 

 わからなくて当然。

 


        ――― あれは、人ではない。



 ふいに、足元にトカゲが走りよった。蟲は、何も考えないように、そこで止まり、顔をあげ向こうをみている。



「 ――― 」


 足をあげ、考えることもなくそれを踏み潰す。

 


 ケイテキは、蟲が嫌いなのではない。


 


  

   ―― 己が、人だということを、よく知っているだけである。

 

 




      ―――――――――――――――――――――――





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