悪役令嬢への道(承) 頑張りました!
おはようございます。
「で、では アイオライトと会ったとしても 姉と名乗る事は出来ないと、、」
「そうだ。名乗るという以前の問題だ。今後は他人として接するのだ。万が一にも 名乗った場合 他者にこの事を話した場合 そなたが辞めた場合 など 全てに於いて・・・」
陛下が 右手で首を切る仕草をする。
「わかりました。『命を賭けよ』とのご命令。承りました」
『『カシェット家』は 国の為に 裏から国を護り 統べる組織の表の顔。『カシェット』達は その為の手足。私達 カシェットは その為の存在』
「うむ そなたは 優秀なカシェットだ。家族と名前を捨てよ! 頼むぞ」
陛下が 簡単におっしゃった。。
「承りました」
『優秀なカシェットなら 簡単に 家族も名前も捨てられるとでも、、』
私は 人としての存在を否定された。。加えて感情までも殺して 返事をする。
『自分は カシェットの代表なのだ、、任務なのだ。。私が堪えねば カシェット皆んなの評価に障ってしまう、、』
「よいか 学園内で誰に知られる事無く ミブキを護衛。それだけで無く 通学時の安全確保。そして事態を未然に防ぐ事も 重要な任務だ」
「は!」
「続けます。この国には 国を支えています4本の柱があります。神の御柱です。柱の崩壊は国の崩壊に繋がりかねません。そこで本来ならば 柱を守護しているのが『4大柱爵家』なのですが、、王太子殿下が学園に入学する時 必ず 何処かの柱に歪が生じます。これもイブキ様の予言です。同時に学園内に於いて 王太子暗殺者ないし害成す者が現れます。王太子暗殺・害成す者から これを防ぎ 守っていく過程に於いて 柱の歪の手掛かりが必ず見付かるはずです。その手掛かりを取得し 柱の歪を『改善』出来なければ この国は崩壊致します」
「どの柱に歪が生じるのでしょうか? 柱の歪とは 改善とは どの様な事なのでしょうか?」
「どの柱に歪が生じるかは 不明です。また柱を守護しているのは『4大柱爵家』なのですが、、実は 4大柱爵家では柱の歪を『改善』する事は出来ないのです」
「では、、まさか? !! 柱の歪を改善出来るのは『悪役令嬢 ヴィラン カシェット』だけだという事でしょうか?」
「うむ。そうだ そなたは 流石だな! 理解が早くて助かる」
「私の経験を話します。他言無用です。私達『カシェット』は ニブキ陛下が王太子の折 陛下の護衛をしておりました。その際『サファイア柱』に歪が生じました。そこに居たのは『人外』の生物です。ヴィーナス様は『餓鬼』と呼んでおられました。餓鬼は2体! 私達カシェットで 何とか 1体を倒したのですが、、そこへヴィーナス様がお越しになられ 私達を助けて下さったうえ 餓鬼を簡単に倒し 柱の歪を『改善』なさったのです」
「失礼ですが、、ヴィーナス様は『元神様で 柱の元主人』という噂は 本当なのでしょうか?」
「うむ。そうだ 母上はな 現在は『人間』だが。そういう『存在』だ!」
『ヴィーナス様は 噂通りの御方、、』
「よいですか! 柱の元主人 つまりヴィーナス様の面影が 柱の改善には必要なのです。ですから ある一定の基準 ある一定の条件を満たした女性! つまり『ヴィラン カシェット』にしか 柱の歪を改善する事は出来ないのです」
「なるほど。理解致しました。では 私は ミブキ王太子殿下の学園に於ける護衛を行いつつ 何処かの柱に発生する歪の手掛かりを発見して その柱の歪を改善する。それが任務であるという事でしょうか?」
「そうだ! おそらくサファイア柱以外。ルビーか パールか ダイヤモンドか」
「その為に この先2年間 当家に於いて 修行 特訓をして頂きます。柱の歪の改善は おそらく尋常な事案では無い事は容易に予測出来ます。ですが、、あなたには申し訳ありませんが。。正直 私達も初めての事。初めての試み。ヴィーナス様も歳を重ねておられます。どこまで準備しても 過ぎたる!という事は無いと思っておりますので あなたには 国の為に 今後の礎になって頂きます。実験的な要素をも多く含むと思います。手探りとなります」
「そなたは カシェットだ。武術体術全般は問題なかろう。頭脳も優秀と聞いておる。後は 医術 暗殺術 侵入術 高位貴族としての作法・所作 『ローズストーン』獲得出来る為の一般教養 その辺りか、、」
「はい ひとまずは その辺りかと、、ただ 最終的に 敵は人外の可能性が高いです。その対応策もいずれは 必要かと、、」
『陛下と宰相が 私を蚊帳の外に於いて ご相談なさっておられる。正直 不安しか無い。。私を礎として 実験的要素も多いはず。。覚悟を決めなければならない。死ぬかもしれない。。やっぱり『死ぬ』のは 怖い!!』
「では ヴィランよ 本日より 開始する」
「承りました」
私は これから 行われる修行 訓練に 打ちのめされる事になる。この時は知らなかったのである。。