スキル確認
作中の名前は適当です。
「しかし、私たちは一般市民で軍事訓練も戦闘訓練も修めてはいませんよ?それにいくら世界の危機だといっても戦いたくない人もいたらどうするんですか?」
俺は、本を読むのが趣味だ。もちろん読むのはラノベだ。これがラノベのような異世界ならスキルやステータスが出てくる展開だろう。
「はい、皆さんの世界にはないと聞いておりますが、この世界にはスキルと呼ばれるものがございます。これには、様々なものがありますが基本全ての人に最低1つ以上あるものです。このスキルを扱うことで戦闘をしたことが無い人でも戦うことができます。ちなみにスキルの最大保有数は5つです。一万人に一人位の確率で5つ全て持つ人がいますが余り無いといっていいでしょう。」
ほうほう、この世界はスキルオンリーでステータスはないのか。まあステータスなんて真面目に考えるとおかしいことだらけだもんな。剣で斬られてもステータス差があれば0ダメージとか普通だし、それでいえば割と現実的な異世界かもな。いや、現実なんだけどさ。
「その、スキルというものはどのようにして確認するのでしょう?」
「はい、こちらにあるスキル玉に手を乗せることで頭の中にスキルの情報が流れてきます。」
司教さん(仮)が横にずれると祭壇の上に水晶玉のようなものが見える。
「なるほど、こうですか?」
言われた様に手を置くと頭の中にスゥーっとスキルの名前と効果の説明が入ってくる。
[全状態異常無効化]
全ての精神攻撃および状態異常攻撃、身体に異常を齎す現象を無効化する。
[武器技能完全習得]
特定の武器を完全に使いこなすことができる。(現在スキル適用武器 両手剣・片手剣・槍・斧・弓・短剣・刀・太刀・小太刀・薙刀・投げナイフ・投げ槍)
[身体能力超強化]
体の全ての機能が平均的な人間の体の千倍強化される。筋肉量や純粋な力だけでなく頭の回転や勘、臓器の働きなども強化される。
[全技能操作]
全てのパッシブスキルのON/OFFの切り替えができる。またスキルに制限をかけたり効果範囲を操作したりすることもできる。
[?????]
不明
なんだよこれ・・・どういうことだ?
明らかにチートそうなスキルばっかりな気がするんだけど、何が起こった?
「どうでしたか?勇者様、スキルについて教えてもらえますかな?」
少し悩んだ末にスキルについて全て教えたら、司教さん(仮)が滅茶苦茶驚いていた。相当チートで見たことが無いレアなスキルらしい。
ただ、最後の[?????]だけはこの人でもわからなかったらしい。今までで一度も起こったことが無く、文献でも見たことがないのだとか。まあ他のスキルのおかげで何とかなりそうなのは良いんだけど、そろそろ後ろが鬱陶しくなってきたな。
「お前らいい加減にしろーー!!!!!」
そう、スキルについていろいろ話している間もずーーっと騒いでいたクラスメイト達にとうとう堪忍袋の緒が切れたのだ。司教さん(仮)と話している間に収まるかと思ったがここまで酷いとは、召喚した人たちには自業自得だが少し同情してしまう。
スキル[身体能力超強化]によって強化された声で怒鳴る。するとさっきまでざわざわと騒がしかった音が一旦止む。
「どうしたの、御神君?」
クラスメイトの女子が恐る恐るといった感じで聞いてくる。
「どうしたの?っじゃねえよ!猿!お前らさっきから何やってんだ!俺ばっかり話し聞いてお前ら何にもしてねえじゃん。少しはどういう状況かぐらい理解しようとしろよ!」
「だって、ななっちがお菓子盗ったんだもん。」
「違うよ、あれは私のお菓子だよ。由美子が勘違いしているだけ。」
「秋斗がドラゴンスリーパーやりたいっていうから・・・」
「異世界召喚なんて興味な、無いんだな。そ、そんなことよりユリちゃんが可愛いことのほうがた、大切なんだな。」
ざわざわ・・・ざわざわ・・・ざわざわ・・・ざわざわざわざわ
もう・・・どうにでもなれっ・・・(泣)
その後、俺たちは教皇様(司教さん(仮)の人)が用意した部屋で暮らすことになったのだが、どうやら俺の異世界生活は一筋縄ではいかないようだ。
・・・今更だけど初対面の人には自己紹介しよう。
誤字・脱字等ありましたら教えてください。
表現が拙い部分がありましたら教えてください。(例あると嬉しいです。)