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涙雨

掲載日:2018/05/03

雨が降っていたので、

ぼんやり考えていたら思いついてしまいました。

雨は気分を憂鬱にしてしまいますね……。

早く雨が上がって綺麗な虹が見たいものです。

傘も差さないでずぶ濡れで帰ったあの日。


雨に当たって冷たくなった私を温めてくれる物など無かった。


同じように冷たくなった心を満たしてくれる物などあるはずも無かった。


窓の外では強い雨が降っている。


私はぼんやりとその様を眺めながら濡れた髪を乾かす。


バスタオルは乾かしたばかりで、柔らかな感触に触れる。


ふと、肌寒さを感じた。体は濡れたままであった。


冷たくなった肌に触れてもすぐ温まるはずもなく。


ただ虚しさだけが私の心を満たした。


いつになったら止むのだろうか。


窓を眺めながら物思いに耽る。


例え止んだとしても、私の心を満たすものなどないのに。


私はいつか止むことを待ってしまうのだ。


心を満たすものを求めてしまうのだ。


それが何かは定かでない。


だが、雨が止むまで同じ事を何度も考えることをやめられなかった。


ふいに人の温かさを求めて、ベッドの上に置いてあった毛布に包まる。


じんわりと自分の残った体温で次第に温まった毛布は、どこか懐かしさを感じた。


昔、同じように冷えた私を温めてくれた存在がいたことに。


それは、いつしか私の目の前から消えてしまったことに。


そんなことを思いながらいつの間にか微睡み、眠りについた。



翌日、起きると体は熱を持って倦怠感がまとわりついた。


どうやら風邪を引いたらしい。


その言葉で寝起きから憂鬱な気分になるが、家には1人しかいないので、自分の世話をしなければならない。


この時、誰かが傍にいれば。


ある存在が頭に浮かんだが、すぐにかき消す。


お腹が空いた。


そう言えば、結局乾かしきらずに寝てしまったため何も口にしていない。


風邪を引いても食欲はあるらしく、胃に優しい物を作る。


昔、風邪を引いても好きな物を食べて胃を弱らせて余計に苦しんだ記憶があるためだ。


とりあえず、お粥を作った。


自分が作った物なので味気ないが、きっと誰かが作ってくれた物の方が何倍も美味しく価値を感じるだろうとも思ってしまう。


全て平らげると、少し胃を休めるためにひと息つく。


お腹を満たせても心は満たせない。


誰が言い始めたものかもう覚えていないが、そんな言葉がふと脳裏に浮かんだ。


確かにそうだ、と思う。


今、世界一美味しい食べ物を食べても心は満たせない気がしてならないのだ。


何故か。それは、1人で食べる食事はつまらないからだと思う。


昔は傍に誰かしらはいた。家族や恋人など誰かは。


今、家にいるのは変わらずただ1人。私だけ。


暗い気持ちがふつふつと湧いてくる。


ふと、窓を見るとまだ雨が降っていた。


私の心を表すような分厚い黒い雲から涙のような雫が落ちてくる。


やがて地や人や木々を濡らし、潤す。


そして、その涙が止まる頃に静けさと共に光が現れるのだ。


天気予報では当分の間は雨が続くらしい。


もし、長い雨が上がったら。


きっと光に照らされた綺麗な虹が見えるだろう。


その虹を心待ちにして、私は傘を差すのだ。


もう涙に濡れてしまわぬように。

少しでも心が温かくなってもらえると嬉しい限りです(*´ω`*)


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