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死神教員の観察記録  作者: 八月かずい
4/7

授業参観

 授業参観時の死神教員の記録でございます。


 小学校一年生の授業参観。教科は国語です。

 子どもも親も、期待と緊張で胸を高鳴らせる中、担任の指示でクラス全員合わせての音読が始まりました。


 保護者が来ている事もあり、大きな声で張り切って教科書を読みあげる子供たち。


 どの子も、恥ずかしさ半分嬉しさ半分のなか、最後の一文字までしっかりと読み終え、誇らしげな表情でチラリと親の顔を盗み見ています。

 そんな我が子の様子に、ホッと胸を撫で下ろした保護者のみなさんが笑顔を返した瞬間、担任が勝ち誇った様子で胸を張り、甲高い声で言い放ちました。


「はーい皆さん。大変大きな声で読んでいましたね。

 いいですか、そんなに大きな声で読んでいいと思いましたか?授業中なんですよ。

 おうちの方が来ているからって張り切って元気になっちゃって。いつもより大きな声で読んでましたけど。隣のクラスが迷惑するとか思わなかったのかな。

 先生はとっくに気づいてたけどね。・・・あれ。もしかして、ちゃんと考えて気づけてたのって先生一人?先生だけだったのかしら。」



 子どもたちの(しお)れた姿を見続ける、いたたまれない空間の完成です。

 もはや日本語を話せる宇宙人レベルの不可解さ。

 保護者が絶句した事は言うまでもありません。

 後日、この死神教員を回避すべく、3人の児童が転校したようです。

 更に後日、ストレス発散の為に児童を呼び出しては殴る、ゴミ箱やイスを投げ暴れる等の体罰があったことや、授業中ほぼ自習状態にしてこの教員は昼寝三昧だったことが、児童の口から発覚しましたが、すでにこの死神教員が姿を消した後でした。


 今もどこかで、同じような授業参観が繰り返されていることでしょう。

 『やる気を刈り取る死神教員』、いかがでしたでしょうか。

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