第七話 灰色の青春って、ちょ、ふざけんな
五月十五日、朝!
今日もよく晴れて、いい気分☆
最近は私を避けていた真優も元に戻って、いい気分☆
・・・・・・・・・だが。
「今日テストが国語算数理科社会四教科共々全部ありやがるんだよ!!!!!!!!!」
「・・・数学でしょ?」
いや、真優。私はつっこみじゃなくて慰めを求めているんだけど。
「はー・・・やっぱり、この腐りきった世界は純粋で美しい血の海に変えるべきだなぁ」
「ちょっ!かなで!今のはマジで巷では変態と噂の南国果実に謝ろうよ!」
何だかんだで、今日は四教科全部のテストがある日です。
・・・言ってもいい?
・・・・・めんどい。
学校に着いた。
な●もりじゃないっスよ。大とか小とかはなく確かに並だけど、なみ●りじゃないっスよ。
説明はこれくらいにして・・・いや、別に遅刻しても怒られる(笑われる?)だけで、メチャクチャ怖い風紀委員長たちにフルボッコにされるようなことはないよ。
・・・それにしても、学校にもう着いちゃったけど行きたくないなぁ。数学のテスト15点取る自信あるんだけど。・・・家庭教師つけられんのはイヤだけどね。
私は嫌々ながらも、自分の教室へ行った。
曽山君は、私に告白してから学校を休んでいる。
・・・・・何でだろ?
まぁいいや。
私は自分の席に着き、カンニングペーパーを用意しようとした(良い子は絶対マネしちゃダメ!)。
そのとき、誰かが話しかけてきた。
「よ。」
「んぁ?・・・おはよ」
話しかけてきたのは、私のオサナナジミの串間リュウタだった(あだ名は串カツ)。
「おいかなで、お前まさかカンニングペーパー用意しようとしてんじゃないだろうな?」
「ハハハ、バカだな。お前じゃあるまいしそんなことしねぇよ。このクソ串w」
「・・・・(クソ串なんて言われたの初めて・・・)今、手元にあった紙、投げ捨てただろ」
「男がコマイこと気にすんなって」
私はクソ串(もうリュウタとかめんどいからクソ串)にそう言うと、カンニングペーパーを諦めて復習を始めた。
三分経過。
「知るかこんなもーーーーーーん(机バーン)!!!!ええい!男はぶっつけ本番だ!」
私は教科書を投げ捨て、睡眠の姿勢をとった。
だってさぁ、今学生に必要なのは、普通学力より睡眠だろ!!・・・いや、睡眠か百万円か、って言われたら、私は百万円を取るけどさ。
っつーことで私は、夢の世界へ落ちていった。
気がつくと、そこは花畑。たくさんのきれいな蝶々が飛んでいる。
私はそこで横になり、まぶたを閉じて睡眠の姿勢をとった(現実でも寝てるのにね)。
それからしばらくして、私は隣に誰かがいることに気づいた。
私は目を開き、両隣を見る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこには。
「むっきゅん!!!!!!!!!!!!!!バリ様!!!!!!!!!!!!!!」
私は勢いよく立ち上がった。なので、机と椅子が一緒に倒れた。
みんなは私を見ている。
当たり前だろう。テストをやっている途中にアニメキャラの名前を叫ぶ奴がいたら、誰だって振り向く。・・・いや、悪い意味で。
えーと・・・私が寝ていても誰もつっこまなかったのは、私の席が窓側一番後ろだったからである。ありがとう、食とその他のものをつかさどる神のナグーレ・コローセ様!(殴れ・殺せ)
幸いにもテストは始まったばかりで、テストの点が15点にも満たないということはなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・っぷ、君ってやっぱりバカだね」
放課後の、生徒会室。
「・・・・うるさいですねぇ、人の人生を笑わないでください」
私は書類の山と向かい合わせになっていた。これはもう日課となっている。
「いいの?僕にそんな口きいて」
「すんません、謝りますからそのノートしまってください」
そしてこんなやり取りも、日課となりつつある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?
ねぇ私、貴重な青春時代の日課が[腹黒生徒会長に脅されること]と[書類の山と向かい合うこと]でいいの?
よくないよね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
つーかヤバイよね。この腹黒生徒会長のせいで、私の青春が今まさに・・・・
[灰色の青春]になりつつあるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「君の青春なんて最初からお笑いそのものな報われない青春だから、灰色になったって特に変わりはないよ」
「ワオ!!今、さらっと人の人生バカにしたよこの人!!」
えーと、謝らないと咬み殺されそうなので、謝っておきます。
巷ではツンデレと噂の風紀委員長さん、ごめんね☆
「さて。謝罪も終わったところで、さっさとその書類を片付けてもらおうか」
「・・・はぃ。頑張ります」
そういえばこの人、何で私の思ってることがわかるんだろう。読心術かな。
「生徒会長だからね」
「ワオ!またかよこの人!心臓に悪いよ!」
私がびっくりして咄嗟に出した言葉。それなのに、この言葉には余計びっくりした。
「じゃあ、やめるよ」
「・・・・え・・・」
私が驚き固まっていると、綾崎先輩は口元を歪めて笑った。
「そう簡単に死なれちゃ困るからね。まだ仕事も残ってるし」
「そういう意味かよ!!!!私のトキメキを返せチクショーーー!!!!!!!!!!!」
私の叫び声は、虚しく学校中に響いた。
今日の日記 五月十五日
クフフフフフフフ!(巷では変態と噂のナッポー、ごめん)
久しぶりに私の[学生やってます]っていう証拠にスポットライトがあたった!
けどやっぱり最後はギャグオチかよ!
やっぱりギャグのヒロインは報われないのかねぇ・・・
ふざけんな!!!!!!
報われろよチクショーーーー!!!!!!