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第十一話 ハニカミって、見ててはにかむ?

 「あの、質問なんですが」

 

 僕が答えようとした瞬間、彼女は叫んだ。

 

 

 

 「何でこの清々しい朝八時に、オマケに日曜日に、生徒会室に来なきゃいけねぇんですかコノヤロー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 「・・・・うるさい。それに、そうでもしないと書類が片付かないでしょ」

 「そーですけどね!?唯一の日曜日を潰すくらいなら、土曜日に生徒会室に呼んでほしかったですよ!」

 「それは無理。」

 「何でですか」

 「僕は用事があるから」

 「用事ってなんですか」

 

 

 

 あ、僕。

 トンデモナイ失言をしたよ。

 

 

 

 「よ・う・じ・っ・て・な・ん・で・す・か」

 「・・・・何でもいいでしょ」

 

 

 

 僕の用事・・・それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 毎週土曜日に、アニメ●トに行ってREB●RNのグッズを買いまくること!

 

 

 

 

 

 

 

 こんなこと、ぜっっっっっっっっっっっっっったいに言えない。


 

 「ふぅん・・・まぁいいですけどね」

 

 ほ・・・よかっt

 

 「ウッソー!!いいわけなーい!」

 

 死ね。

 

 「クフフ・・・用事ってなんですか、ランチ●先輩(巷では変態と噂のナッポーさん、ごめん)」

 「僕はラン●アじゃないよ」

 

 とりあえず、コレを知られるわけにはいかない。

 ・・・え?知られたらどうするかって?

 それは、「みらーいよーりもー今ーがかーんじーんー♪」でいくよ。

 

 本当のところ、知られたら来世はトイレットペーパーの芯でいいかなぁって。

 

 

 「あ。もしかして先輩のお母さん、入院してたりします?」

 「いないよ」

 「あぁ、天国の病院ににゅういn」

 「外国に出張!!!」

 「・・・・となると、お父さんが入院?」

 「お父さんも出張」

 「・・・・・・・・天国に?」

 「死ね」

 

 僕はかなでに背をむけ、書類にペンを走らせた。

 かなでは僕の背中に、怒りの声をぶつけてくる。

 

 「ちょお待てやぁぁ!!お前さん、[俺、生徒会長だもん]って言って許される世界じゃないんだぞぉぉ!!わかっとんのか!?」

 

 うるさいな。

 

 

 

 

 「静かにして。静かにしないと咬み殺しゅよ」

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ? 

 

 

 

 

 「ク・・・フ・・・クフ、クハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

 

 

 

 しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

 何、何なの僕!!

 

 

 咬み殺しゅって何なのよ僕ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!

 

 

 「クハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!」

 「黙ってって言ってるでしょ!きゃみ殺しゅよ!!」

 「クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 何なの、僕!

 きゃみ殺しゅって何!!余計重症だよ!!

 

 

 

 

 「クフフフ・・・ク、フ・・・先輩」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何」

 「黙っててほしいですか?」

 

 ・・・・・・・・・考える。

 

 

 

 ダメ!!そんな噂流れたら僕死んじゃう!!!!!!

 


 

 僕は黙ってうなずいた。

 かなでは満足そうに笑った。

 

 「じゃあ、交換条件って事で」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 「だから、私がさっきのことを黙っててあげる代わりに、先輩もライターのことを黙っている、ということです。私はもちろんOKですけど」

 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 頷きかけて、思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この条件に納得したら、かなでは僕と一緒にいる理由が無くなるんじゃないかって。

 

 

 

 

 

 

 

 かなでが僕と一緒にいる理由がなくなったら、かなでは副会長を辞めてしまうだろう。

 

 

 

 

 つまり、それは出会う前に戻ってしまうということ。

 

 

 

 

 

 お互いを全然知らなかった頃に、もどってしまうということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうなったときのことを考えたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 胸がどうしても苦しくなって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 何故だかわからないけど、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


 

 それだけはイヤだって、思ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、思わず口からポツリと漏れた言葉が、

 

 

 

 

 

 


 

 

 「いいよ。そのかわり、副会長はつづけてね」

 

 

 

 

 

 

だった。

 

 

 

 

 

 

 

 「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!何私、一方的に[okですけど]とか言っちゃってんのよぉ!!」

 

 

 かなでは床に手を着き、頭をぐったりとさせた。

 

 

 

 「副会長はこれからも君。そういうことで、いいね?」

 

 

 

 


 私は不本意だけど、力なくうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一瞬[この人は、私に副会長をやってほしかったのかなぁ]とか、思った。

 

 けどそんなの、

 

 

 

 

 

 「私のトキメキを返せ!!」

 

  

 

 

 と言う想いで消えてしまった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 これからはじまる、私と腹黒生徒会長様の物語。

 

 

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