第一話 見つかっちゃったぜ(泣)
私は紙切れを前に、ライターとやかんを持って屋上に座り込んでいた。
紙切れ・・・・イコール、テスト。
こんな紙切れ一枚で、私の人生に支障はない!そう!これはあるだけ無駄なのだよ!
シュボッ、という音を立てて、テストに火がついた。
フフフ、これで証拠隠滅が完了する☆
そして、私が何もなかった顔で家に帰れば、回避できなさそうだった雷を回避することが可能になる!
テスト用紙が燃え尽きた後、私は燃え殻にやかんの中の水をかけた。
ウフフ!さーて、家に帰ろう!
「何してるの」
「あsdjkdjヴィウェhhスdhfsjv:ぁkv@jvwぱqwふぉswh!?」
しまった!人が見ていたのか!しかも、ノリにノって変な声を出してしまった!
どうする・・・今から目撃者の頭を殴って記憶から抹消してやるか・・・・?
そんなことを考えているうちに、目撃者は私の前に姿を現した。
「何してるの」
目撃者は、男子だった。
一年生だろうか。まだ、顔に幼さが残っている。
「君・・・・三年の、柿野かなでだよね」
こいつ・・・・同学年か?先輩を呼び捨てにするっていうのはおかしいだろう。
あ・・・・高等部かな!?高等部様に目をつけられた!?
説明遅れました。私、柿野かなで(中学三年)が通う学校は、小、中、高とつながっているのですよ。
・・・・で、その高等部の方かただろうか!?
でも、小学四年生くらいの身長。・・・・生意気な一年生だろうか。
「聞いてる?ここって、火気厳禁なんだけど」
うーん・・・・逃げよ。
私の幸せな日常を壊されてたまるか!
私はダッシュで屋上を出ようとした。
あ!抜かされた!チクショウ!
自分の足の遅さを呪いたくなった一瞬だった。
しかし!人間やるときゃやるんだよ!
私は追いかけてきたそいつを抜かし、屋上の階段を下りようとした。
ズドガガガガガ!
階段から落ちた。
おかげでそいつに追いつかれた。
「チクショー!階段め!私の幸せを返せぇ!」
私が叫んでいると、そいつはクスッと笑った。
「君、面白いね」
「ぶっちゃけもうどーでもいいッスよ。とりあえず、私の幸せを返してくれるかな!?」
私は、せめてもの抵抗にと不貞腐れてうじうじした。
「・・・・僕の名前は、綾崎雛。高等部の一年で、生徒会長だよ。いつでも生徒会室に居るから、暇だったら来てみなよ。」
せ・・・・
「生徒会長さまぁぁぁ!?」
「そうだけど」
「いえ、あの、申し訳御座いませ・・・・!」
私は即座に土下座した。
「大丈夫だよ、ライターのことは黙っててあげる」
「せ・・・生徒会長様・・・・」
私が顔を上げると、そこには分かりやすく「弱点ノート」とかいた物をもつ、生徒会長様がいらっしゃりました。
「黙っててあげるから、ね?絶対来てね、待ってるから」
私は無言でうなずいた・・・・が、心の中では、
「忘れる気、この人これっぽっちもねぇよ!」
という思いが駆け巡っていた。
今日の日記
いやー、とんでもない人に喧嘩売っちゃったよ。
ウフフ、どうしようね!
ちなみに、テストの点数は25点、赤点でした☆