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第十七話

 扉を開け放ち、一気に駆け抜けようとして思いとどまる。


 「すぐに騎士団長がみつかるとは限らないし……

 Rreth të parandaluar mur tokës

『防土壁』」


 中級魔法によって周りの壁を加工、簡単にはあかないようにしておく。


 「扉加工したから簡単には開かないと思う。でも気をつけてな」


 一声かけて走り出す。


 さっさと騎士団長見つけてあいつらの安全確保しなきゃな。


 「『索敵』」


 ……街の方にも溢れてるみたいだな。

 城は騎士団が迎撃中、こちら側優勢と言ったところか。


 階段を降りて下へと向かっていくたびに壁や床などが破壊されたあとが目に入ってくる。


 「これがゲームでよかった……リアルだったから死体の山が出来ていそうな被害だよ……」


 しかしここまで降りてきてもデーモンの姿はなしか。

 撃ち漏らしがなく迎撃できる程度の腕は持ってるみたいだな。


 「っと思ってたらはっけーん」


 まあ問答無用で切り捨てるけどね。

 さてさて、騎士団長はっと


 「いた、騎士団長さん!」


 城の一階、正面門付近で騎士団長を発見する。

 周りでは戦闘が開始されており、今一番の激戦区って感じだな。


 「……貴方は」

 「すみません、自分たちが借りた部屋にサクナと姫様がいます。扉を加工して安全策は取りましたが念のため警備をしてもらえませんか?」


 ……よし、ちゃんと言えた。


 だが


 「すみません、私は戦闘に参加しなければいけないので」


 そう言って走り出す。

 ……リーダーがサボる訳には行かないってか。

 でも


 「姫を守るのも仕事じゃないのかよクソが」


 わかってはいる。

 たしかに城の安全はほとんど確保されている。それは索敵で探った限りでもわかる。


 街の安全が重要なのもわかる。

 あたりの家はかなり燃えており、被害の酷さを物語っている。


 でも


 「……納得いかない」


 わがままなのはわかってるけどなんか納得いかないから少し頑張ろうか。


 でもどうすればいい。

 騎士団員はデーモンとの交戦中、見た感じの腕なら一対一で負けることはなさそう。

 なら加勢は必要ないだろう。


 「騎士団長」


 瞬動を使い、一瞬で人命救助をしている騎士団長の元へと接近する。その距離100mほど

 驚き固まっているのを無視して続ける。


 「この事件の元凶はなんですか」


 家のガレキに埋まった少年を助けるのを手伝いながら聞く。


 「……機密情報です」

 「ならデーモンたちは城のどこから出てきたんですか?」

 「なぜ城からだと?」

 「スキルで確認しました」


 話しながらも作業を続けていく。

 この様子だとやっぱりミキの言ってたことは正しいみたいだな。

 なら王道なのは城の地下研究所の様な場所か。


 「地下研究所……」

 「なっ!?」


 この反応、あたりか。

 研究っていったら地下が王道だよね。

 無事にガレキをどけて少年を救い出す。


 「……どうするつもりですか?」


 なにを……と言わないあたり、勘づいるみたいだな。

 なんでこんな有能なやつがこんな国にいるのか疑問だ。


 「とりあえず壊します。こんなことになってたら怠惰な生活も送れないですからね」

 「……そうですか。ならお願いします」

 「お願い、ですか」


 やっぱり騎士団長はこの研究についてはよく思ってないのだろう。

 だからこそお願いをするってところか。


 「任されました」


 返事をし、城へと急ぐ。

 後ろを確認するとすでにこちらに背を向けて人命救助を再開していた。

 なら俺は俺でやることやりますか。


 城へと再度戻ってきて、周りを見ても下へと続く階段のようなものはない。

 索敵をしてみるともうこの城にはデーモンは残ってないように見える。


 「これならサクナたちはとりあえず安全かな……」


 しかし索敵にも引っかからないとなると結界でも張っているのだろう。


 「……なら床ごと壊すのみ!」


 思いっきり白夜を振り下ろすと床を貫いた後に明らかにそれ以上に硬い物を貫く感覚が手に伝わってくる。


 「おーあたりー。賞品は……」


 床を突き破り、地下室へと侵入成功する。

 そして目に入ってきた。


 「「「アガ……オ……ゴ……ガアアアアアア!」」」


 球体のような胴体。

 それに負けないほど太い腕。

 無理やり何人もの人間の顔を接続させたような頭部。

 そしてそれら全てが真っ黒に染まっていた。


 「……これが人工的に作った魔王? 冗談だろ?」


 索敵によって大まかなステータスは把握できる。そして理解する。


 「……これ勝てるかどうかわかんね」


 冗談抜きで強すぎますから。


 モンスター補正と考えても全体的なステータスが俺の200倍はありそうだな。

 ゲームならパーティーやレイドを組んで戦うクラスだよ。

 なんでこうなるのかね? かっこよく圧勝してこの件で国王脅す手筈が台無しだよ……


 「「「ガアアアアアアア!」」」


 ひときわ大きく叫んだかと思うと体の一部が分裂し、黒い塊がすぐさま見慣れたデーモンの形になって俺があけた穴から飛び出そうとしていく。


 「ってまずいから!『烈波』」


 剣から衝撃波を飛ばして飛びさっていこうとしたデーモンをミンチにする。

 これは早めに仕留めた方が良さそうかな……


 この部屋は野球の球場くらいかな。広さは十分だか変な薬品とかが壁に大量にあるが……使い方知らねーよ。


 「結局身一つで倒さなきゃダメですか……」


 この部屋のことや、コイツの存在、どうやってこんなのをここに置いておくことができたのかとか聞きたいことあるし、なにより帰ってくるって約束したからな。


 「死ぬわけには行かないんだよ。だからテメーが死ね」


 言い放って一気に接近する。

 相手はまだこちらを敵の認識してないのか攻撃してくるようするはない。なら


 「一気に叩き込む!『山割』『七閃』『尖』」


 斬り下し、七連乱れ切り、突き、と連続で魔王の太ったような腹に叩き込む。

 しかし


 「……ダメージ入ってる感覚ないな」


 切りつける度に水を切ってる感じがする……気持ち悪い。


 「「「グガァ!」」」


 ようやく敵と認識してもらえたか……危うく一人で無様に剣を振り続けるところだった。


 「水っぽいなら凍らせてみるか。Ngrij『凝固』」


 振り下ろされた腕を回避して魔王の体に触れ、魔法発動。


 「「「ガ!?」」」


 テストと思って下級魔法で試したけど効果ありそうだな。

 ……振り下ろされた腕が当たった床が消滅してるところを見ると物理特攻の物理無効型って感じか。すごいめんどくさいなおい。


 てか消滅ってどういうことだよ。威力高すぎるだろ。

 うーむ、一人で詠唱時間稼ぎながら行けるかな……無理っぽいんだけど。


 「このまま回避してるだけだといずれ床がなくなるぞ!?」


 なかなか攻撃が当たらないことに痺れを切らしたのか、叫び出す魔王に向かって悪態をつく。


 こんなところでぼっちであることの代償が来るとは……やっぱりソロプレイは限界あるか……


 さて、打開策を考えよう。


 1.めっちゃ強いいいカズヤくんは何故か勝てる。

 2.誰かが助けに来てるれるのを待つ。

 3.どうにもならないから神に祈る

 4.大人しく死を待つ。現実は非情である。



 ……まともな案が全くない件について!


 適当にやってて勝てる相手じゃないし、こんなぼっちを助けてくれる聖人君子なんてこんな混乱した状況でいるわけないし、残りは死を意味するし!


 「あーもう!

 詠唱短縮 Përfundojë ujë si ajo është një lundrues fikse『囲浮水固』」


 早口に詠唱し、魔王を水で包み込む。

 攻撃力はないけどあれなら動きは抑制できる!

 詠唱短縮だから時間としては短い。だから一気に押し切る!


 「詠唱短縮

 Akull për të ndryshuar rreth ujit

『全水凝固』」


 半径10mにある水を全て凍らせる。

 当然魔王を包んでいる水も。


 「ラストぉ! 詠唱短縮

 Zgjerimi ngrohje ajrit të ambientit

『空間圧熱』」


 魔王周辺の空気を一気に加熱する。

 温度差によって溶ける氷。

 しかし空間の加熱は続くので溶けた水と加熱された空気が触れ、直後の爆発。


 「簡易的な水の熱膨張ってところかな。意外と上手くいくもんだな……」


 一気に部屋の中は水蒸気で白く染まる。思ったより激しく吹き飛んだな……これで死んでくれればいいんだけど。


 「「「ガアアアグゴギァァアア」」」


 明らかにキレた叫び声。

 ここまでやってやっと5分の1くらかよ……このペースだとMP切れる方が早そうだな。


 「はああああ……引きこもりたい!」


 叫んて気合を入れる。

 なんで俺は働いてるんだ! 休ませろ!

 そのためにはお前に死んでもらう!


 ……こっちも死ぬ気で行くか。

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