第十六話
更新遅れました……そして次回も遅れそうです。
「ミエルは人望もあって政治経済にも通じてるからさ、国王になっても仕事は果たせると思うよ」
「でも騎士団ってことは国の兵士でしょ? 私たちがやろうとしてることは言ってしまえば反逆。それを認めて助けてくれるかな?」
とても正論だな。
個人的な感想だが自分の上に立つ者を裏切るようなやつじゃ無さそうだ。
それは味方であれば頼れる、しかし敵ならばこれ以上ないくらい厄介な相手。下手にこちらの動きを見せると不利な状況にならないとも限らない。
でも見た感じ正義感の強い男ってのを具現化したような奴だったから……意外となんとかなるかもな。
「そこはあれだよ! ボクの姫様パワーで説得する!」
その姫様パワーを捨てにいってるんだぞ……
「というわけで今から行ってくるよ!」
「は? 今から?」
「もちろん! 善は急げってね!」
その言葉この世界にもあるんだな。
「ならサクナもついて行った方がいい」
「なんで?」
「ボク一人で十分だよー!」
「そういう問題じゃない。まあついて行ったらわかるだろ」
「どういう問題なのさー」
「はよ行け。サクナは考えていることを……めんどくさいから『読心』って名づけるな。読心に専念して少し後ろで待機してろ」
「んー……わかった」
「んじゃーまた後で!」
そう言ってサクナを連れて部屋を出るミキ。
騎士団長がなんて答えるかは想像がつくけから念のためにサクナを送ったが大丈夫だろうか……
「今更心配してもしょうがないか」
部屋に置かれた飲み物を手に取り、二人が帰ってくるのを待つこと数十分。
「怒られた……」
シュンとしたミキが帰ってきた。
「予想どうりだな、なんて言われた?」
「姫様が謀反などを企まないでください。この件に関しては聞かなかったことにしておきますのでそのような考えたかは早く捨ててください、だってさ」
思ったとおりだな。
「サクナ」
「なに?」
「その時に騎士団長が何を考えてたのかわかったか?」
「すごいグチャグチャだったけど国王様が悪いことをしているのは知っているみたい。それに関しても悩んでた」
ここまで想定通りだといっそ怖くなるな……俺にも遂に特殊能力が宿ったか? 未来予知かっけー。
「えっ……そうなの? でもそれならなんでボクのお願い聞いてくれなかったんだろう……国を変えるいい機会じゃないか!」
「さっきも言っただろ。あの人は騎士団長だ」
俺の言葉を聞いて帰ってきたのはだからなんだ? とでも言わんばかりの表情。
サクナを見てもよくわかっていないらしい。
やっぱりこいつらって根本が少しおバカだよな。
「あの人が動くということは即ち国の中核からの謀反となる。そして人望がある人ならそこそこの人数の騎士団員がついて来てもおかしくはない。よって国が根元から壊れる」
おバカと言われたことに対する恨みが顔に出ているサクナをスルーしつつ話を続ける。
「根元から壊れた国を治すのは難しい。謀反によって政治の主導権をとったとしてもその先に待っているのは武力が支配する国だ」
どんどんと深刻な表情になっているが……ほんとに理解できているのだろうか心配になる。
「そして武力のみで支配された国はいずれ滅びる。それは過去の歴史が証明している」
元の世界の話だけど。
「だから悩んでるんだよ。理解できたか?」
「……大体はね」
「…………」
ミキ、サクナと順に答える。というかサクナに関しては返事はなかった。大丈夫かよ……
「……カズヤくんってホントは頭いいの?」
「そこそこな」
別に勉強ができなくて学校行かなくなったわけじゃないからな。中学のうちは家で少しは勉強してたし。
「なんか頭の良さそうなことを話しててびっくりしたよ……ボクの知ってるカズヤくんじゃないって」
「軽く馬鹿にされてるよな」
「というかそこまで政治について知ってるならカズヤくんが国を乗っ取れば!」
「無理に決まってるだろ。俺は働きたくないしコミュニケーションも取ることはできない。よって別の意味で国が崩壊する」
「安心した。いつものカズ兄だ」
完璧に馬鹿にされています。
「でもどうすればいいのさ! このままじゃどうにもできないよ?」
「そもそも国を乗っ取るってこと自体が無理あるんだよ」
サクナにはほんと悪いとは思うがどうにもできる気がしないんだよな……
「なら…………どうにか王様を殺すだけでもできないかな? 先のことを考えなかったとして」
そう言葉をそう言葉を吐いたサクナの雰囲気は少しだけトゲのあるものになっており、一言で言うなら殺気を放っていた。
「っ!? サクナ……」
声をかけても反応がない。
本気みたいだな……いや、ここに来た目的がそれなんだから当然と言えば当然か……
「サクナちゃんの気持ちもわかる。でももう少しだけ他の案も探そ?」
「……うん」
……さっきからところどころでサクナの精神が不安定になっている気がする。
言ってしまえばここは敵陣地、そこに居座ってるんだから辛くなる……のか?
「なぁ……」
声をかけようとしたところで部屋の外からの爆音が響きわたる。
少し遅れて絶叫が耳に届き何かが壊れるような音まで聞こえる。
「……『索敵』」
10……30……50……100……250ってところか。
「索敵に反応あり、250くらいのデーモンの反応。そして良く分からないけど馬鹿でかい反応がある。デーモンは城の中、でかいのは……多分城の中だ」
状況を知らせた途端にミキとサクナの顔が青くなる。
サクナに関しては体を丸くして震え始めていた。
「……研究に失敗した?」
「それくらいしか考えられないだろ」
この数のデーモンが一気に王城に現れるなんて普通の事態じゃないだろ……クソが!
「ミキ、サクナ二人はこの部屋にいてくれ。騎士団長を見つけしだいここの守備に回ってもらう」
「……カズ兄は?」
手で隠した顔の隙間から心配そうな表情が少し見える。
「心配するな、俺は強い」
強がりでも傲慢でもなんでもなく、俺は強い。
油断しなければ負けはしない。
全部倒してすぐ戻る。
「約束だよ、絶対に……帰ってきてね?」
当たり前だろ
「行ってくる」
声をかけて扉を開ける。
デーモン襲来イベントは1回終わらせたじゃないか……
「二回も同じイベをやるなんて運営も落ちぶれたなぁ」
軽口を叩きながら抜刀し、合成する。
「こんな短期間に白夜を二回も使うことになるとは……ま、いいか」
第二次デーモン強襲イベントってところか。
ま、無双して終わってやるよ。




