フィードルへようこそ!
!!ウェルカム トゥ フィードル!!
冒険者さんこんにちは。
私たち妖精の住むフィードルは大変な危機にさらされています。
世界を繋げていた夢幻の糸が切れ掛かってしまっているのです。このままでは陸や空がバラバラに解けてしまいます。
そ・こ・で!異界の力を持つあなた方にカミールの再来を手伝って貰いたいのです。
カミールは夢幻の糸の繰り手。必ずやこのフィードルを繕ってくれるでしょう。
◆クエスト
カミールの記憶の欠片を持った巨大なモンスターたちを倒し、復活の呪文でカミールを呼ぼう!
パソコンに必要な情報を入力後、ヘッドギアを被って数秒で目の前に草原が広がっていた。
なんかちっちゃい女の子が現れてそれだけ言って飛び去っていった。
「なあ、説明これだけ?」
「説明書なら渡したろ?」
「いや、チュートリアルとかあるだろ?」
「なんであると思った?」
「リュー!これクソゲーじゃねえの!?」
「一部の子供と大人に大人気!特に社会人!」
「不親切設計のにおいがする!」
「さあ!冒険のはじまりだ!!」
カミールの再来、宣伝文。
<子供に大人気!妖精の国フィードルで君も冒険だ!※12才以下のお子様は親御さんとご同伴お願いします。カミールの再来は大人の方もお楽しみ頂けるワンダーランドです!>
ゲームの煽り文句の八割が嘘である。俺の人生の統計が証明だ。俺には子供そっちのけで遊ぶ大人の姿が幻視できる。よくよく考えたら怪我の心配がないぶん親も伸び伸びできるのだ。
基本プレイヤーはヒャッハーしていると考えていいだろう。
「リューが嵌まってる時点で薄々分かってたけどね。はぁ。ぜってーモラルとか色々低いだろここ。」
「おう!基本何でもありだ。」
「へぇー、例えば?」
「この前な、職業盗賊らしい人がさログインポイントにいて、ログインしてくる人を片っ端からkillしてた。すげぇよな!」
「ああすごいねぇ、なに考えてるんだろうねぇ……。」
「俺も乗っかってやろうと思ってその盗賊の人を後ろから刺してやったぜ!」
「……。」
無法地帯だわここ。