圧倒・制圧
伊織の持つMINIMI(軽機関銃)は引き金引いた瞬間その役割を果たすべく次々と銃口から火を噴いた
その威力は凄まじく目前から迫り来る敵を撃ち倒し屍の山を築いてゆく
敵が付けて居る防具や盾は意味を果たすこと無く軽々と貫かれ「鉛の塊」は盗賊の生命を刈り取っていった
あと100発くらいか?そろそろだな…
MINIMIを撃ち切ったら小銃にきりかえて・・・
伊織は残りの弾を確認しながら次の行動を考えていた
いくらMINIMIの威力が強くても距離が有るため致命傷にならなかった奴らが居る
また盗賊団の方も学習したのか突っ込んで来なくなって逃げ出す奴らも確認出来た
伊織は許すつもりは無いので
MINIMIを撃ち切り次第89式小銃に切り替え
至近距離での戦闘へ移る事にした
「・・・一応リエルも連れて行くか」
リエルは目の前で起こる事に驚きを隠せなかった
伊織がいきなり地面に伏せた時は弓で殺されてしまったのではないかと思った
しかし、次の瞬間大きな音がしたかと思うと伊織の持つ黒い塊から炎が吹き出し目前から迫る盗賊達が次々と倒れていく
「何これ・・・」
伊織くんと初めて会った時はオークに殺されかけていて私が助けてあげた
今回伊織くんが一緒に行くって言った時は武器も大して持っていないのにどうやって戦うのか気になっていたけど・・・
わ!こっちきた!
「リエル!着いてきてくれ!」
「頭!仲間が殆どころされちまったぁ!」
「ああぁああ!痛ぇええええ!」
「も、もう嫌だ!俺は逃げるぞ!」
一体どうなってんだ!緑色の男の方から奇っ怪な音が聞こえたかと思うと次々に仲間の奴らが倒れていきやがる!死んだ奴らは身体中に穴が開いて着ていた防具も貫通していた
あいつは魔法使いなのか!?
「頭ぁ!奴がこっちに向かってきたぞ!」
「何だと!?」
緑色の男の方を見ると男は妙な形をした槍を持ってこちらに向かってきた
よく見ると女がついて来るが・・・
一体何を・・・待てよ?
盗賊の頭はある結論に達した
しめた!奴ら魔力が切れやがった!
あれだけの魔法だ、もう魔力が底をついて槍で戦うしか出来なくなったんだ!
こっちはさっきので大分やられたがまだ奴らより数も居る、しかもあんな槍・・・たかがしれている!
「あいつ等は魔力切れだ!奴を俺の前に連れてこい!」
伊織は撃ち切ったMINIMIをLAVに積むとリエルと一緒に向かってくる奴らの迎撃準備をしていた
「伊織くん、さっきのって魔法?」
リエルが聞いてきたが
「いやあれは、俺の武器」
素直に答えた方が良いよな?魔法じゃないし
ってリエルさんいきなりなんでそんな不安そうな顔してるの?
「だってさっきのが武器って言うならなんで持ってこなかったの!?そんな槍じゃ奴等に殺されちゃうよ!!」
「まぁ心配するなって、お!盗賊の奴らも突っ込んできたな!」
伊織は89式小銃を立ち撃ちの姿勢で構える
「リエル!弓を持ってる奴が来たら教えてくれ!」
弓のような武器は防御し難いからできるだ弓の射程外で仕留めておきたい
それ以外はもう少し引き寄せて倒す
まだだ・・・
まだ・・・
リエルが隣でなんか言ってるが気にしない・・・
ッバン!
盗賊たちが一定のラインに入ると伊織は射撃を開始する
先ほどのMINIMIのような連射での射撃と違い確実に敵をしとめていく
伊織は自衛隊で行われる射撃訓練に置いて至近、通常のどちらの射撃も「特級」と言う実績を持っており陸士長でありながら狙撃班に入らないかとまで言われており、その伊織からすれば100m以内の敵をヘッドショットする事は簡単な事だった
ッタァン
ッタァン
ッタァン
次々に発射される小銃の弾は確実に盗賊の意識を刈り取ってゆく
しかし
「リエル!そろそろもっと至近距離で戦う事になりそうだからさがって援護してくれ!」
予想以上に敵が突っ込んで来やがるな
そろそろ格闘での戦闘準備か?
伊織の射撃は盗賊を次々に倒していったが、中には上手く射撃線から逃れて突っ込んで来る者がいた
しかし焦ることなく伊織は次の動作に移る
フル弾倉へ交換、ガンスリング(銃の背負うベルト)の取り外し
動作を終えてリエルを見る
うん、後方に下がったみたいだ
ってまた凄い顔してるな(笑
そんなに驚かなくていいのに、援護大丈夫かぁ?
そんな事を考えていると盗賊共の汚い声が聞こえ、見ると目前まで迫っていた
「糞野郎」とか「ぶっ殺してやる」とか叫んでいる
「ウワァやっぱ悪役ってかんじだなぁ」
どうでも良いような事を呟いていると先頭を走って来た盗賊が伊織目掛けて斧を振り下ろしてきた
「死ね化け物がぁ!」
化け物ってあんた・・・見た目だったらおまえの方が化け物だっつうの!
伊織は大振りなモーションで突っ込んで来た男を交わすと振り向きざまに男の脇を銃剣で刺突する
「っはぁ!」
パン!
銃剣が人間の身体に刺さると筋肉が萎縮してしまい抜けなくなってしまう
なので刺したあと銃を撃つことで周りの肉を破壊し抜け易くする
伊織は一人目を終えると次の敵に自ら向かっていった
「ヒィイイイ」
前に居た仲間がやられた事といきなり自分の方へ向かって来る正体不明の化け物(伊織)に身体が竦み呆気なく2人目はその命を終える事となった
至近距離での戦闘は自分が攻められる場合、相手が来るのを待っているのは得策ではない
待つと言う事は相手に攻撃準備をさせてしまい、最悪自分が攻撃するタイミングを失ってしまう
相手の「虚」を突き自分のペースに敵を引きずり込んでゆく
伊織は初めての実戦闘でやってのけた
「ッヒ!?」
「グガァ!」
「ぎゃ!」
次々と伊織は盗賊を倒してゆき、残るのはこの盗賊のリーダーと思われる派手な武具をつけた男だけだった
「ど、どういう事なんだ!?」
魔力切れで突っ込んで来たんじゃ無かったのか!?
盗賊共から頭と呼ばれていた男は目の前で起こった事を理解出来なかった
伊織達が魔力切れになったと安易な考えをもったせいで作戦を考え無かった過ちと敵の戦力を把握しないで小さな槍だけと言う慢心からくる当然の結果だった
どうする!どうすればいい!?
すると後ろから
「お頭、前を向いたままで聞いてくだせぇ」
「ん!?まだお前生きてたのか!?」
「ああ、そのまま、そのまま・・・へぇ、下の入口で村の奴らが逃げないよう監視していたので・・・」
「っそ、そうか!それよりお前今頃やって来たってのは何か考えが有るのか?」
「へぇ、お頭はこのまま奴をここまで引きつけてくだせぇ、そしたら俺が後ろから奴の首を飛ばしやす。流石にあんな化け物でも後ろからじゃ太刀打ちできないでしょうから・・・」
名案だと思った
奴らには後ろに居る仲間が見えていない、上手く引きつけて後ろから切りかかれば流石に殺せるだろう
「分かった、きずかれないよう上手くやれ…上手くいったら今回村の報酬で好きなものをくれてやる」
「任せてくだせぇ」
そう言うと後ろにいた盗賊は化け物を討つべく向かっていった
これで奴らも終わりだ!
頭と呼ばれでいた男は勝利を確信していた
だが何か引っかかる事が有った気がするがきにしない
目の前で苦痛にもがくあの緑色の男の顔を見ること想像すると堪らない
それだけで頭が一杯なのだ
へぇ、お頭はこのまま 奴 をここまで引きつけてくだせぇ、そしたら俺が後ろから 奴 の首を飛ばしやす。流石にあんな化け物でも後ろからじゃ太刀打ちできないでしょうから・・
「よし、後は盗賊のリーダーのみだな」
伊織は周りを見渡し残存する敵が居ないのを確認するとリーダーの下へ向かっていった
伊織はリーダーの処分は村の人に決めて貰い、殺すのであれば自分が「処分」するつもりでいた
因みにリエルはもし俺に何か有ったとき援護できるよう後方で身を隠して貰って、リーダーを拘束次第出てきて貰う手筈になっていた
実際の戦闘でも伏兵を置くのは当たり前で、最後の命綱でもあったりする
まぁあんな可愛い娘が俺の命綱って言うのも可笑しいけど
・・・リエル本当頼むよ!?(;´Д`)




