表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

溺死

それはあたしがこの街に引っ越してきて二ヶ月が経った、梅雨の時期の出来事だった。



「うわー、雨ひっどいねー」



窓を打ち付ける大粒の雨水を見ながら、隣を歩いていたマキが眉間を寄せる。



「夕方から雷も鳴るってお天気お姉さんが言ってただけのことはあるわー。メイ、ちゃんと傘持ってきた?」


「うん、もちろん。ほら」



肩にさげていたバッグの中から赤い折り畳み傘を出すと、マキは


「あっれえ、意外にしっかりしてた」


とけらけら笑った。

たしかにあたしは抜けている方だと思うが、これだけの大雨が降っていれば(通学手段が地下鉄とは言え)傘ぐらい持ってくるに決まっている。



「ひどいなあ。あたしのことバカだとでも思ってるの?」


「うん、思ってた」


「うわあ、さいてーい」



なんて、未だに女子高生気分が抜けきらないような会話を繰り広げつつ、あたしとマキは次の講義がある教室に向かって歩いて行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ