思考の最果てへ、ずもりずもり。
ずもりずもり(思索が進んでいく音だ。俺にはこう聞こえた。粗末な擬音だ)。
俺は深い思索の旅を続けていた。
ずもりずもり。
しかし、何度思索をしても、行き着くところはおんなじだった。
死だ。
何もかも、段階なんて関係なく、俺の思考は死へと向かっていく。
それは思考の最果てだ。行き着けばただ、真っ白な空間が広がるだけの、無しかない場所。俺はそこが心地よかった。普通なら自分の記憶の中にある情報と情報が思索を続けているうちに連結しあい大きな球体(悩みとも言う)を形成してしまうのだが、そこにはただ無があるだけなのだ。
死イクォール無イクォール自由。
そんな論理が俺の中で出来上がっていた。
ずもりずもり。
ずもりずもり。
俺は今日も思索をしていた。あてもなく自分の頭の中の世界をさまよう。
異変はすぐだった。
記憶が、どんどんと湧き上がってきたのだ。
ぼこぼこと泡のように、様々な記憶が蘇ってきた。
幼稚園で押しピンを踏んだこと。
女の子に苛められたこと。
高熱が出て死にかけたこと。
負の思い出ばかりだ。その情報通しが連結しあい球体を作り上げていく。情報連結が半端なく多い。これは、今まで見たことのない球体だ。
「!!」
その時、揺れを感じた。何か、大きなものが湧き上がってくるのだと、俺は感じた。
その大きな何かが現れた。
これは・・・。・・・・・・・・あぁ!! これは!
いやだ、イヤだ! ぁあ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「×××××××」
「×××××××××××××××××××××××××」
球体は最後に出てきた情報と連結し、巨大さを増した。
そして、その巨大な球体は俺めがけて突進してきた。俺は思考の深くへと逃げた。必死に逃げた。
ずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもりずもり。ずもりずもりずもりずもりずもりずもり。ずもりずもりずもり。
気がつくと、思考の最果てにいた。
俺は戻るのが怖かった。
ここにずっといようか、と思った。
だんだんとじぶんのしこうのりんかくがとけていくのをかんじた。それはとてもとてもここちよいかんかくだった
お れ は じ ゆ ぅ に な れ た
ずもりずもり(進行中)。