幕間2 『浮遊魔法』 『担当教師』 『留学生』
『浮遊魔法』 アメリア セレヴィーナ
「はー、みんな大変だったねぇ。無事でよかった」
「元凶が他人事なのを除けば、平穏に終われた方ね」
「まあまあ落ち着いて。浮遊魔法で空でも飛んで冷静になろうよ」
「ええ、そうね。貴方を担いで、そのまま手を離してあげようかしら」
「いいよん、わたしも浮かぶから。それか飛行魔法ルギーダでも使うから」
「貴方、飛行魔法まで使えるの?」
「うん。入学する半年前ぐらいには使えてたよ。え、もしかしてセレヴィできないの? ふふーん、できないんだー」
「できるわよ、そのニヤついた顔をやめなさい。はたきたくなるわ」
「ええー、いいのー? わたし王族だよ?」
「……」
「い、いだ、いだ! 二回、二回叩いた! 不敬罪だ! 牢獄行き!」
「あら、そんな横暴を王族がしていいのかしら?」
「……わたしより飛べないくせに」
「言ったわね! 勝負しなさい!」
「セレヴィって案外挑発に乗りやすいよね」
『担当教師』 セレヴィーナ 教師
「ガーウェンディッシュ嬢。貴方には何と感謝を述べれば良いだろうか。私のような恥晒しに温情など」
「優秀な人材とは、時に金銭以上の価値を生み出すものです。昨年、先生が発表された浮遊基礎理論には感銘を受けました。私の浮遊魔法や飛行魔法の精度向上に影響をもたらしました。今後ともその才覚をご活用ください」
「あのような駄文にまで目を通されているとは、模範的令嬢の看板に偽りはないそうだ。アメリア君の友人として活躍されるのも当然というわけだ」
「……ええ、そう。友人、友達です。そう、友、ですね」
「何故気落ちするような表情に? 私は間違ったことを言ったのか?」
『留学生』 アメリア セレヴィーナ
「東から来た金髪の青年、アメリアは知り合いなの?」
「うん。ちょっと前に、爆発して話すようになった」
「ごめんなさい、何言っているのかわからないわ」
「えーとね。あの人、いっつも魔導科学の発明品を作ってばかりなんだ。一人で黙々と作業して、試作品ができたら建物の外に出て装置を起動させる。んで、前にわたしが偶々通りかかったときに、面白そうだったから声かけたら何か話が弾んで、ワチャワチャやってたら機械が爆発しちゃった」
「類は友を呼ぶのね……つまり危険人物ってことはわかったわ」
「それだとセレヴィも該当しない?」
「私は例外なのよ、残念だけれど。周囲からの評価がその証明ね」
「周りの視線ばかり気にしているのか! 自分を持っていないのか!」
「急に何よ、誰の真似よ」
「ムッキリング大佐」
「本当に知らなかったわ。何はともあれ、あの留学生にも注意しておいた方が良さそうね」
「セレヴィって、普段からわたしを警戒してるの?」
「もはや恋のように胸がドキドキしているわ、いつもね」
「そんな、わたしが可愛いのはわかってるけどさ」
「……」
「何か言ってよ」




