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リープ ~私達の二周目~  作者: 蛇頭蛇尾
1章

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24/88

幕間7   『邂逅』 

 


『邂逅』  アメリア   エルミナ  リュソー



「どわー! 人が飛び込んできた!」

「アメリア様、落ち着いてください。この者の責任です」

「は、はは。ちょっと高揚しすぎた」

「わ、生きてた、よかったぁ」

「何者だ貴様。見たことのない顔だな。ここの学生らしいが、アメリア様の通りを阻害するなど」

「ああ、いえ。失礼いたしました。私は西から留学してきた者です。本日より王立魔導大学に入学します」

「へえー、西から! 名前は名前は?」


「リュソー・アルカンジュと申します。アメリア王女殿下。以後、お見知りおきを」

「あれ、わたしのこと知ってるんだ」

「王女殿下の御活躍は西においても轟いておりますので」

「アメリア様、お下がりを。この者、何かしらの企みをもって近づいてきたのでしょう」

「企みと申されればそうかもしれません。私は王女殿下のお噂を耳にして、貴方様に会いにきたのです」

「おお、オッケイオッケイ。それじゃあ友達になろっか!」


「アメリア様、このような者にそのような栄誉はお控えください。アルカンジュと言えば西では大商家。つまり西の商人です。西の商人は全員が詐欺師。それが通説であり定説です」

「それには少々語弊があるかと。全員ではありません、九割です」

「強制送還しましょう、アメリア様」

「まあまあ。リュソーは商人なの?」


「私も商売人として数多の現場を渡り歩いてまいりました。この知見はアメリア王女殿下のお役に立てるかと」

「じゃあさじゃあさ、取引とか交渉とか色々経験してるんだよね? 教えてよ!」

「私の体験でよろしければ、なんなりと」

「アメリア様、」

「いいじゃんエルミナ。通説も定説も、リュソーが変えてくれればいいんだから!」

「お噂に違わぬ御方です。今後ともよろしくお願い申し上げます」


「うーん、ちょっと固いね。もっと柔らかに、口調もかしこまらなくていいよ」

「お、いいんだ。何もかも例外なんだね」

「貴様、途端に砕けすぎだろう」

「いいじゃんリュソー! わたしはそっちの方が良い!」

「じゃあ、これでいこう。私もへりくだった言葉とか面倒くさい性分なんだ。よろしく頼むよ、王女様」

「おけーい! よろしく! それで、さっきぶつかったのは大丈夫?」

「指が何本か折れたくらいだ、気にする必要はない」

「ええ! 早く保健室行かないと!」





「はい、リュソー。これであと半日もすれば指も元通り動かせると思うから」

「これは参ったね。出逢って早々手間をかけてしまった。王女様は治癒魔法も使えるんだな。羨ましいよ」

「まあ、ちょっとだけならね。リュソーは何の魔法を使うの? 商人に特別なものって必要だっけ?」

「特には。私は知恵と決断で商人たちと渡り合ってきたものでね。世間一般の魔法もそこそこ使えるぐらいだ」

「……何か隠しているだろう。商人はそう易々と自分の手札を切らないものだからな」


「さあて、どうかな。それをわかっているなら、質問に意味は為さないとわかってくれるはずだが」

「私は腕力にそれなりの自信がある。証明のひとつになってみるか?」

「エルミナ、無理矢理言わせようとしたら駄目だよ。リュソーにはリュソーの主義主張があるんだから」

「そういうこと。流石王女様、話が分かるね」


「アメリア様。このような者は遠ざけるべきかと」

「だいじょーぶ。リュソーが何か考えててもいいもん。エルミナがいれば不安はない!」

「アメリア様……おい、アルカンジュ。アメリア様のご厚意を裏切るなよ」

「こう言ってはなんだけど。主に弱すぎないか、君」





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