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ギルド酒場

明里のお母さんに伝言を頼まれてたのを思い出して久しぶりに連絡してみたら話が盛り上がって一緒に呑もうってことになった



明里とよく遊んでたのは小学生の時

学校からの帰り道で桑の実とか野イチゴとか摘んで食べながら帰ったっけ

いっぱい採ったらお母さんがジャムにしてくれて、それも美味しかった。

たまにツクシとかイタドリとかをいっぱい持って帰ってお母さんに頼んで晩ごはんにしてもらったり

ザリガニを持って帰ってコレ食べたいって言ったのに水槽に入れられててそのまま育てたりもしたな

昔は私も明里もやんちゃだった

やんちゃというより野生児かもしれないけど


田舎の都市伝説の1つ

【クラス中に1人くらいはアリを食べたことあるやつがいる】

私と明里は生きる都市伝説ってことになるね

アリの味は全然覚えてないや

噂ではレモン味とか甘いとか色々言われてるけど、さすがにアラサーになってアリを食べて検証しようなんて思わない

私も大人になったものね




そんな都市伝説コンビが大人になり故郷を離れ、久しぶりに再会する


正直すごく楽しみだけど同じくらい怖い


電話では昔みたいに楽しくおしゃべりもしたし、近況報告もたくさんした。

ほんとに小学生の頃みたいに…

これで実際会ったら超美人のできる女になってたらどうしよう?

いや、喜ばしいことなんだけども!

友達が超美人のできる女なんてめちゃくちゃ鼻が高いけども!

私だけがちゃんと大人になりきれてないのを実感しちゃったらどうしよう


でも不安がってても仕方ないのもわかってる。

お店も選んでコース料理を予約してくれたのは明里だし、できる女になってても不思議じゃない

そんな超美人のできる女と一緒にいても恥ずかしくないように今日は目一杯オシャレして明里に会いに行く



待ち合わせ場所ここで合ってるよね、服とかメイクとか変じゃないよね

チェックしながら待ってるけどドキドキしてきた



「由美香おまたせ!」

【超美人のできる女】とはジャンルが違うけど【優しい女上司】って感じだグレーのスーツがよく似合ってる

「う、お、ひ、さしぶり」

すごい噛んだ!

恥ずかしい

「だはははは!なんで今さら私に緊張してんの?」

「久しぶりだからに決まってるでしょ、うるさいな!」

笑い方が昔から全然変わってないから安心した

電話でもいっぱい話したのに会って話し出したら止まらない

緊張したのが馬鹿だったみたい


おしゃべりしながら明里が案内してくれてお店に到着した

「ギルド酒場?」

なにこの異世界っぽい名前のお店!?

「異世界転生の漫画とかアニメとかいっぱい観てるって言ってたからこういうお店好きかなって思ったの!変わった食べ物もいっぱいあるけど苦手だったら普通のメニューもあるから安心して!」

「明里…お前は私を喜ばせる天才か…はやく行くぞ」



お店の中は雑多な感じ

でも内装がすごく凝ってて壁には討伐依頼の紙とか異世界っぽい世界地図とかが貼ってあるし

店員さんの服もチュニックで異世界っぽさを演出してる

女性の店員さんに見惚れてるとドリンクの注文を聞かれて焦ったけど、とりあえずビールを頼んでおいた

「すごく素敵!めちゃくちゃ気に入った!」

「うん、顔見ればわかる!私もここ好きでよく来るんだよね、実は常連なの」

常連なのかよ

どおりでマップも開かずサクサク案内してくれるはずだよ

「できる女はスゲーなって思ってた私の尊敬を返せ!」

くっそーめちゃくちゃ笑ってやがる

これはオタク特有の沼に引きずり落とした勝利の笑いだ

しかし沼に落ちるかどうかはご飯で決まる



「おまたせしましたー」


お手並み拝見といこうじゃないの

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