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薬草採取ーおひたしー

グハァ!!!!




ユキチに叩き起こされるのなんて何年ぶりだろう…

吠えたり噛んだりなんてしない優しい子なんだけど散歩の時間だけは絶対に守らせる厳しい子だったな


器用にみぞおち狙って踏みやがって…

なんていい笑顔してるんだ


咥えてきたリードを顔面に落とされた。



「あいてっ

わかったわかった

お散歩行くから降りてよユキチ!」


ほんとに言葉がわかってるんじゃないかってくらい行動が早いな

もう玄関で待ってるよ…






いつものお散歩コースなんて知らないからどうしようかと思っていたけど全然困らなかった。

ユキチが進む方に行けば良いだけだからめちゃくちゃ楽だわ

無理に引っ張ったり突然走り出したりなんてしない賢い子でほんとに良かった。




「こんにちはー!」

知らない子供に挨拶された

びっくりしたぁ

田舎ではまだまだ子供たちは無防備に無邪気に元気いっぱいだ

この辺りがそれだけ平和ってことなのかな


「こんにちは〜」

ご近所の草むしりしてるおばちゃんも挨拶してくれる

「こんにちは」

こちらも倣って挨拶をかえしたよ

引きこもり気質の私でも社交性はあるのさ!


「あら、由美香ちゃんじゃない!?大きくなって〜」 


誰だ!?

絶対私のこと知ってるじゃん!

でも全然わからん

誰だコレ


「えへへ、おかげさまで〜」

ここはなんとなくで話を合わせる作戦で乗り切るしかない


「そうだ!これ、良かったら食べて!」


これさっきむしってた草じゃねーか!

すごい自然に渡してきたから思わず受け取っちゃったけどナニコレ嫌がらせ?

全然知らない人(おばちゃんは私のこと知ってるみたいだけど)に嫌われるなんて…


「あのーこれ、なんですか?」


もしかしたら家庭菜園でとれたお野菜かも?なんて期待と、どういうつもりだゴルァって気持ちをなけなしの社交性で包んでみました☆


「スベリヒユっていってね、雑草と一緒に生えるんだけど」


やっぱ草じゃねーかゴルァ!!


「おひたしにするとおいしいから抜かずに育ててたのよ〜」


え、おばちゃん草たべるの?

ほんとに?

でもたしかに花壇もちゃんと手入れされてて雑草もあんまり生えてない

袋に入ってる草と同じやつ以外は。

おばちゃんは本当の善意で渡してくれてるのかもしれん…


ええい、そんなに美味しいなら食べてやろうじゃないの


「おひたしがオススメなんですね、試してみます!」


これで不味かったら怒るよ

私が怒ったらすごいことになるぞ

どんなことって?

そりゃあとにかくすごいことだよ!


「うちの明里の好物なのよ〜」


明里?

小学生の頃ずっと一緒に遊んでたあの明里!?

高校で学校分かれてからだんだん疎遠になってたんだよね

懐かしいなぁ

ってことはこの知らないおばちゃんは明里のお母さんか!

全然知らないおばちゃんじゃなかったわ

明里今何してるんだろ?


「明里は元気してますか?」


「元気も元気!元気すぎて全然帰ってこないんだから〜」


何がキッカケになったのかわからないけど、そこからおばちゃんのマシンガントークが始まってしまった…


明里は元気ってことと、今の私のバイト先から結構近い所に住んでるってこと、調理師免許を取得したってことがおばちゃんのマシンガントークの内容だった。


たまには実家に顔を出すようにと伝言を預かってしまったが気が向いたら連絡してみることにしておばちゃんとの雑談を切り上げ帰路についた。





さて、おばちゃんからもらった草が本当に美味しいのか検証しよう



よく水で洗って、硬そうな茎以外は全部食べられるんだっけ

そんでサッと茹でて水にさらす。

冷えたら水気を絞り、一口サイズに切ったらお醤油かけてできあがり!


なんだ簡単じゃん


切る時にネバネバした液体がいっぱい出てきてびっくりしたけど

茹でたら嵩減った気がする…

いっぱいあると思ってたけど小さめのお皿に1杯分くらいしかないや


これだけではお腹いっぱいにならなそうだからもう1品作ろう

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