第2話 大概、子への親からの話って自慢話が多い
今父さんが暑く語っているのはまだ自分が産まれる前のお話。
ツーマン団が結成され、父達が20になり自分達最高!と自負しだした頃、とある依頼がギルドから受注された。
ダンジョン核となるボスの撃破の撃破
二人はダンジョン☆ブレイカーと言う剛名があるように、ダンジョン制覇はお手の物。
この世界では勝手にダンジョンが発生する。
異世界ではお馴染みである。
ダンジョン自体が意思を持つモンスターで、ダンジョン内で錬成された宝や遺物、はたまた美味い物で人やモンスターを釣る。
そしてダンジョン内で死んだ者や装備品 消費された魔力 気力 使用されたゴミを吸収し、ダンジョンを強化拡張、更に魅力的な宝を錬成配置し更に拡張強化…と成長を続ける。
しかし、人の生死をかけて成長させるより、ゴミでも成長出来る部分を利用し、ダンジョンの上に穴を掘りゴミを捨て強制的に成長させる方法をシヴァ王が思いついた。
マンダム達がダンジョン自体の成長見極めやダンジョン別の成長による宝の良し悪し等の団内配分管理が面倒だった為、シヴァ王に何か良い方法はないか?と相談した所、シヴァ王からの回答がこれであった。
これによりゴミの管理もダンジョン成長管理も出来る為、シヴァ王の評価は更に高くなった。
「まあ、建前上と現実的なことを考えて俺達や冒険者がダンジョンでイレギュラーな事故で亡くなって吸収されないような対策ということ、本音は俺達にもしものことがあって死に目に会えなかったりするが嫌だからってのをシヴァ兄が譲らなかったのさ。」
この双子の弟には勿体ない出来た兄である。
しかし広がり続け最終成長まで達するとダンジョンが脱皮し、禍敵と呼ばれる災害 理不尽の塊と呼ばれる存在が発生する。
そうなる前にダンジョンの最下層にいる核となるモンスターを倒す。
魅力的な宝を得る為、ギルドはある程度ギリギリまで成長させて中の美味しい所だけ頂く。
強い核ボスはツーマン団にと言う投げっぱなしな所はギルド汚いなと自分は思っていたが、父達は戦闘狂、しかも核ボスの体内には生産中のその時点で最高の宝があり、父達には悪い話ではなかった。
そして何より団内に自分の目当ての娘がいた為、良いところ見せるぜ!!と言う下心丸出しな理由から引き受けていた。
「俺マンダムはバルハラ一筋、マンダリンはシルドラ一筋だ。だがな、中々うまくいかんのよ。だから俺達二人が良い所見せてやろうと考えた訳だ。」
息子の前でこっぱすかしいこと平気で言う父さんに何故か自分の、顔が赤くなる。
だが考え方は4歳児の自分でも分かるくらい駄目である。
親父達は俺ツエーを体現し、男らしさでアピールしようとしてるのは分かる。
いかにも、考え方が野蛮、浅はかであった。
そして繰り返す内に結局危険な目に合わせてしまうのである。
それみたことかと予測の範囲内だぜ。
ツーマン団がダンジョン内核ボス攻略中、ダンジョン内の最新部の宝に目が眩んだ魔術師結社が戦闘中割り込み全員核ボスにやられ吸収されてしまったのだ。
吸収された後はお約束な展開、禍敵顕現となった。
聞いててそうなるなぁとは思っていた。
禍敵は魔術師結社の魔力 思想 生き方を吸収し、生まれだした禍敵なるは、禍敵 不死なる者。
魔術師結社は不老不死を求める者達の集まりであった。
(結果的には取り込まれたとはいえ、願いは叶ったのは皮肉だ)
戦いは熾烈を極めた。
ツーマン団の装備は全て伝説級。
そしてメンバーは最高の5名
アタッカー マンダム
ディフェンダー マンダリン
支援錬成術師 バルハラ
魔剣士 シルドラ
影の薄い人 シャド・ウ・マン
「…おい、一人だけ職業違うの混じってる!!」
と父さんに突っ込みを入れたら何の職業か忘れたという回答が来た。
ここからは、話に更に熱が入りすぎて暑くなった父さんの一人芝居が始まるのであった。