第8話 時の流れは残酷に刻一刻と過ぎ去る
オールが来て数週間が過ぎた。
自分もラボ内の説明を聞きある程度使用できる様にはなって来ている。
セーラはもう少しで家族との別れが近いと言うのに能天気である。
「セーラ、もう少しでおっちゃんとおばさんと離れ離れになるんだよ、もう少し一緒にいる時間増やしたらどうなの?」
「能天気だと思ってる?大丈夫、離れていてもいつか一緒に冒険出来るって父さん母さん言ってたから。その時まで私は鍛えて一緒に楽しく冒険するんだ。」
なんだ、セーラ結構大人ではないか。
そのいつか一緒のいつかとはいつなの?と言う心にこまけぇことはいいんだよと自分自身に心の中でツッコミを入れる。
まあ、離れ離れになると言ってもラボ内に通信機器がある為、毎日話は出来ると思うんだけど。
だが、獄地とはどんな所だろうか。
発生するダンジョンは獄地よりの侵略行為だとも言われている。
この世界と獄地の土地の削り合いとも言われている。
世界地図も端部分は凸凹でその仮説が正しくも考えられる。
こちらの常識が通用しない場所、獄地。
いつか自分もそちらに行くと考えると戦慄すら覚える。
獄地側に行く道は、ウメブ国の最奥部から入ることが可能ということは聞いている。
「フログ、自分達家族は会議室に集合だ。来てくれよな。」
急に父さんの発言でハッと我に返る。
もうこの日が来たのだろう。
早いようで…早すぎた。
4歳から5歳の丸一年で色々叩き込まれた。
母さん、父さん、おっちゃん、おばさんの知識や技能を体にダウンロードと言う荒業をよくもやってくれやがりました。
こんなヒネくれネジきれた5才児に育ててくれてありがとでやんす。
愚痴りながら会議室へと向かうと父が待ち構えていた。
「みんな集まったか。みんなを呼んだ理由はもうお解りだと思うが、獄地行きが決まった。来週に出発……と…じゅっばづとなっだ…のごる……残る、フログ セーラ、親がいなくなり寂しい思いをさせ…ざぜる…うぐっ……おごっ…」
駄目だ父さん嗚咽入りましたー。
「まあ、マンダムがこんなんだから副社長の私!マンダリンがここからは代わって通達する。オールに従え!自由に生きろ!傾くなら傾き通せ!そして出来たら俺達と冒険しようぜ!その為の不老と不死だと俺は運命を信じている。
その時までは俺達も限界突破で生き続けてやる…と思う。」
多分おっちゃん傾くなら傾き通せを言いたかっただけだろうなぁ…とか思いながら若干感極まった。
俺も大きくなったらこの人達と冒険がしたい。
心からそう思えた。
それから一週間はあっけなく過ぎ行く日々の中、父さん達は俺達に見送られ城の奥へと進み獄地へと向かうのであった。
父さん達も残りたい反面、冒険心は未だ衰えず燻り続けていた為、腹を括ったその顔は非常に凛々しい顔をしており、その表情でお互い見送ったのであった。




