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第0話 プロローグ 遠き昔の約束

 昔、俺が5歳の頃オヤジ達が別の地、獄地(ゴクチ)へと旅立った。


 その時オヤジ達は言った「いつかまた冒険しよう」と。


 それから480年、俺は不老の呪いを受けた身で姿形は16歳のまま鍛えるだけ鍛え続けた。


 しかし480年の歳月で不老はなく不死だけの呪いを受けた相棒(パートナー)セーラのおばあちゃん化が進み今では反応がたまにあるだけ、俺達の世界は人口の爆発により人の住む地、食糧問題、人間同士の奪い合いが勃発しどうしてもセーラの老化の解除への望み、土地の拡大を視野を入れて獄地へと行かなければならなくなった。


 俺は不老だが不死ではない、年を取らない為裏技の寿命を回復に回す禁呪を使い常時回復(リジェネーション)を使っているが、即死級の攻撃を受けるとあっけなく死ぬ。


 その為子供の頃から誰にも負けぬよう簡単に死なぬよう鍛え続け、俺達の世界では世界最高だろうと自負していた。


 全身オリハルコンとアダマンタイトの合金の全身鎧を軽々と使いこなし、右手は過去なくなった所をあえて再生せず、オリハルコン、アダマンタイト、そしてヒヒイロカネで作った万能義手にし、そこからは必殺の魔導砲を発射出来るようにしてある。


 剣は身の丈程のこれまた義手と同質の合金で作られた大剣世界(ワールド)破壊(クラッシャー)を使い数多の敵を蹴散らし、戦場、ダンジョンを共にしてきたもう一つの相棒である。


 これまであれば備えれば獄地なんてすぐ攻略、全て解決しすぐに凱旋出来るだろう。


 一度入れば攻略するまでは出るのが難しい獄地だが攻略してしまえばなんということはない。


 凱旋後はもうこんな慌ただしい毎日を送るのも限界なので呪いを解呪してもらい後はスローライフでも送りたい。




 もう攻略後の事を考えながら獄地の中継所へと向かうとそこには異形な者が一体待ち構えていた。


「良く来たわね、声でやり取りはしてきてたけど生身で会うのは475年ぶりね。私が誰が解るわよね?…母さんよ。」


 全身黒光りした母親の形をしたゴーレム。


 声では数日前までは交信していたがずっとどうやって寿命を無視し生きてきたのかここで要約理解した。


 母さんは錬成術士だったので、自らを意思のある鉄に錬成しそれで成形、そうして人である身を捨て現在まで生き延びたのであろう。


「まあ、あなたのことだから簡単に獄地のことを考えていると思うから、私が手合わせしてここがどんな所か解らせてあげようかなーって思ってね。まあ、死なない程度にやって上げるから全力で来なさい。」


 流石にカチンと来た。


 自分も480年頑張って来た経験がある。


 それを母に圧倒的に見せつけなければ母も納得しないだろう。


「装備召喚!。こうなれば手加減出来ないから母さん壊したらごめんね。その時は強く強化して直してあげるから安心してくれ。」


 俺も装備を召喚し精一杯の皮肉を込め挑発する。


 相手から来ないようなのでこちらから…行くっ!!


「くらえ!必殺ワールドエンド」


 高速で世界(ワールド)破壊(クラッシャー)を全身粉々になる様に斬りつける。


 だが粉々に砕け散ったのは大剣世界(ワールド)破壊(クラッシャー)の方であった。


「へっ?ぼっ…僕の宝物がぁ。まだあるこれを喰らえば次元ごと消えてなくなる!喰らえ魔導砲!」


 母さんの体に魔導砲が当たると何事もなかったかの様にただ棒立ちでこちらを見ている。


「弱い!弱すぎる!情けない!情けなすぎる!何もせずこちらは見ていただけなのに自滅?よっわ!」


 次の瞬間母さんが一瞬で間を詰め自分の義手を根本から握りつぶした。


 俺の自信作である。


 右手が常時回復(リジェネーション)で再生し義手は粉々となった。


 俺は嗚咽が入り泣きそうである。


「その偉そうな鎧も自信と一緒に粉々にしてあげる!」


 母のあの重い体とは思えぬ程の速度で自分の体に高速でパンチが突き刺さる。


 顔のフェイスガードを残し全身鎧は粉々である。


「これでラスト!これが獄地の洗礼よ!」


 そう言うと自分の鼻っ柱をへし折りならフェイスガードを粉々に粉砕しぶっ飛ばされるのであった。


 ぶっ飛ばされる脳裏には過去が走馬灯のように流れ出すのであった。



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