2泊3日
北川不動産で谷口さんは、真剣な目で。
「本当に火魔法を取得したの」
「しましたよ、9時には2階まで案内する予定です」
「私も、連れて行ってもらえないかしら」
「キル免許証、取れたんですか」
「取れたわよ、槍スキルも」
「私、これでも薙刀の錬士なのよ」
「向こうがどう言うか・・・」
「それは、あなたしだいよ」
「その代わりあなたの望み道理、話を進めておくわ」
「しかたないですねー」
俺はバイクで、谷口さんは車で行く。
マンモス交番で交渉すると、すんなりと了承された。
気を良くした谷口さんは、大盾も貸して下さいっとお願いしだした。
渋々大盾を貸す、その大盾をブンブン振り回す谷口さん少し怖い。
早速道案内する。
初っ端から火の球を発射し進む。光弾の秘匿とLVアップを兼ねて。
火の球を発射しながら変な事に気がついた。
クールタイムが回数を重ねるたび早くなっている。
感覚では2秒で発射出来るようになっている。
確認する。
火魔法 Lv0
火の球を飛ばす
クールタイム30秒
表示は30秒、改善スキルの効果なのか不思議だ。
間隔をおかず火の球を連発する。
薄暗い通路に揺らめく炎が数箇所燃えている。
それはレクイエムを幻想的に表してるようだった。
こんな想いをしているのは私 一人かもしれない。
階段に着いた、順番に下りフロアでしばしの休息。
俺は背負いバックをおろし、マットをセットし宿泊の準備する。
帰還予定 72時間と申請してるからだ。
今後北川ダンジョンは、人気ダンジョンに変貌するだろう。
ダスの話だと交番の建増しを検討してるそうだ。
そんな話を聞耳をたてている谷口さんがいた、真剣そのものである。
休息も終わり、俺が赤いスライムに向き合いながら説明する。
「5m以内に入ると、火炎放射で攻撃してきます」
借りた大盾を前面押出しながら近づく、炎が大盾を襲う。
隊員から「オーォ!」っと声がもれる。
俺が離れると火炎放射も止まる、左手をかざし火の球を発射。
近場に3匹いたので火の球を発射しておく。
天井で燃える炎を見ながら、近づくと何かが落ちてきた。
咄嗟に受止める、見ると赤魔石だった。
魔石は、ガラスと同じ強度だから受止めなかったら壊れ消えていた。
他にドロップ品がないか見ていると、スクロールを見つけた。
たしか、床に這いずるスライムがいた所だ。
スクロールは燃えないのか、ジーとスクロールを見詰めてしまった。
ドロップ品をダス隊員達に見せながら。
「どうします」
「もう少し見させて欲しい」っと言いながらスクロールを受取り。
仲間内で話しだした、「生スクロールだ!」
「凄いなー」その横で谷口さんは、スクロールを目で追い続けていた。
納得したようでスクロールと赤魔石2個を、売却依頼して
谷口さんを伴い帰ってもらう。
キルで溢れかえるダンジョンになる前に少しでも攻略するぞ。
床にいるスライムは、火の球で。天井や壁のスライムは落としてから
核を取出す方法で使いわけながら討伐していく。
それを繰り返し20時には安全フロア戻り。乱舞斬の鍛錬後就寝。
6時に起きて7時に結界を張り、溶けたのを合図に討伐をする。
それらのパターンをもう一度繰り返す。
最終日の討伐を中盤に差掛かり床のスライムを2匹、火の球で焼き
近づくと階段を発見した。
慎重に階段を下りる、2階と同じ位の広さのフロア。
フロア全体を調べ一息つく・・・討伐を再開する。
青いスライムを発見、動きが早いスススーっと移動している。
左手でかざしながら火の球発射、命中し燃え広がる炎。
しかし青いスライムは俺の方へ進んでくる、すかさず右手のナイフ
で光弾を打つ、スライムに命中し穴をあける。
その穴から漏れ出す水分、そして消えてしまった。
近づくと蒼い魔石があった。拾い上げて見て少し色合いが違う。
火魔法がLVアップしたようだ。
火魔法 Lv1
火の球を飛ばす
クールタイム0秒
普通のLVアップならクールタイム10秒なのに。何かが違う・・・
改善スキルの成せる技なのか・・・俺の火魔法が、特別なのか・・・
時計を見る13時22分、地上に戻るのに5時間かかる。
後2時間頑張るか、光弾で討伐していく。
2時間頑張ったがスクロールはドロップしなかった。
この流れだとドロップすると思ったのに、地上へ戻ることにする。
1階のスライムから核を取出す、青魔石なった。
蒼い魔石と青魔石を比べる、青魔石は透き通った青。
蒼い魔石は少し濁った蒼そんな違いしかない。
地上への階段前で悩んでいる。
3階への階段を報告するべきか、中級者ならすぐ狩場を荒らされる。
蒼い魔石を壊して消すことで報告しなくてもすむかも。
しかしもったない最低でも129万円悩むー。
ダンジョンに隠す事も出来ない、24時間動かない物は消滅する。
入口と交番のあいだも監視カメラが睨みをきかしている。
マンモス交番でドロップ品をだしながら3階への階段を報告する。
別室へ案内しようとするので勘弁してもらう。
もう22時を過ぎている、身も心も疲れてるので明日にしてもらう。
仕方なさそうな顔をして「明日ですね」
「はい、明日の9時でお願いします」
交番のシャワールームで頭を3回洗い、体も3回洗った。
少しスッキリした気分で着替えて帰ることにした。
3日の成果
魔石35個 売却
赤魔石385個 売却
蒼い魔石43個 売却
ポーション4点 売却
火スクロール2本 売却
ダンジョン協会所属武器研究所
オメガ班 担当:高橋
研究用(2月分) 青魔石10個 蒼い魔石10個 提供
光弾使用 233
火の球使用 260
防御魔法 連続使用60時間
結界 2回