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第73話 ユズルの日記



 大海原を往く客船。

 その一室の机に置かれた数冊の日記。

 その初めの頁が、波の揺れで捲られる。


── 786年6月2日

 リアとマコトを失ってから今日で1年が経つ。

 今日俺は村の騎士団長様のところに弟子入りを申し込みに行った。

 だけど幼いからと断られた。

 見返す。


──790年8月10日

 騎士団長様に弟子入りできることになった。

 ここから俺の復讐劇は始まる。


──800年4月1日

 俺は今日、村の教師になった。

 復讐心を忘れたわけじゃない。

 ただこの数年間で身につけた知識を活かすだけ。

 あくまで有効活用だ。


──802年6月24日

 遂にあの暴龍を倒した。

 リアとマコトの仇を打つことが出来た。

 だが、依然として俺の身体から侵食は消えない。

 まだ終わっていない、そんな気がする。


──802年7月4日

 無事フォーラ村にたどり着けた。

 いや、無事ではない。あやゆく死にかけた。

 改めて魔物の恐ろしさを知った。

 そしてこの旅の同行人としてユリカという少女がつくことになった。

 無口な為何を考えているのかが分かりにくい。

 今後が不安だ。


──802年7月6日

 昨日遂に呪術師との邂逅を果たした。

 そして、俺の侵食が魔王によるものかもしれないという疑惑が生まれた。

 なぜ昨日の日記が空白なのか、それは色々あったんだが簡単に記すと魔人の襲撃を受けたからだ。

 ベルゼブブ、かなりの難敵だ。


──802年7月9日

 今日遂にベルゼブブ討伐戦が行われる。

 もしかしたらこれが俺の最後の言葉になるかもしれない。

いや、こんなところで死ねない。

 全員の思いを1つに、必ず勝つ。


──802年7月13日

 3日ほど眠っていたらしい。

 ベルゼブブ討伐戦は無事勝利に終わった。

 だが、寝覚めは最悪だ。

 去り際、あの魔王に会った。

 やっぱり俺たちの敵は魔王のようだ。

 リア、マコト。


──802年7月19日

 キリヒト、ティアナに別れを告げフォーラ村を後にした。

 目指すはウィズダ村。

 新たな冒険の幕開けだ。


──802年7月21日

 メイシスという名の魔女に出会った。

 彼女はおじいちゃんの戦友らしく色々話を聞かせてもらった。


 俺のおじいちゃんは、あの英雄 ローレンスらしい。


──802年8月5日

 遂にメイシスを救い出すことに成功した。

 そして俺は影の魔人との戦闘で初ノ型を習得した。

 メイシスの未来に幸あれ。


──802年9月15日

 竜の渓谷に無事たどり着けた。

 道中フォーラ村でお世話になったミカエラさんと出会い、寝床を提供してくれた。

 感謝しかない。


── 802年9月19日

 竜王祭最終日。

 無事終わるかと思われた祭りは、村の壊滅によって終わりを告げた。

 新たな強敵の出現に、早くも怖気付いている。

 王都軍大佐 グランドゼーブ。

 王都と協力するのは、難しいかもしれない。


──802年9月30日

 ついに王都に到着した。

 そして、ついに王家の家系図を手に入れた。

 ユリカの謎を知るチャンス。

 この機会を逃す訳には行かない。


──802年10月5日

 帝国軍と手を組むことに成功した。

 ユリカはこの命に変えても救い出す。

 絶対に。


──802年10月7日

 ユリカを救い出すことに成功した。

 帝国軍の皆さん、ミカエラさんに竜王様に、そして師匠には感謝しかない。

 そしてついに俺たちは、生まれ育った故郷の地を離れた。

 この先どんな試練が待ち受けているのか分からない。

 だけど、進むしかないんだ。

 これは、俺が始めた物語なのだから。


──802年11月29日

 ついに明日、西の大陸に着くらしい。

 どうやらここで休暇は終わりのようだ。




 さあ、新たな冒険の始まりだ!


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