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禍々しき侵食と囚われの世界【最終章開幕】  作者: 悠々
第3章 地下の魔女編
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第26話 変わり出す物語



 魔人を倒したのと同時に城跡に突き刺さっていた異物が消え失せ、地上や城跡を覆っていた影は次第に消えていった。

 だが、体に刻まれた影が消えることはなかった。

 幸い、ユリカによる浄化魔法のおかげでユズルの体から影は消え失せたのだが、被害者はユズルだけでは無い。


「そうだ、メイシスはどうなったんだ?」


 メイシスと合流するはずだったユリカがここにいるということは、やはり会えなかったのだろうか。


「メイシスさんとは無事会えたので安心してください」


「そうか、良かった……」


 その言葉を聞いて安堵する。

 話し方から察するに追い出された、とかでは無さそうだ。


「それでメイシスは今どうしているんだ?」


「メイシスさんは今、被害者の救助に当たっています」


「なんだって?!それは大丈夫なのか?!」


 村人たちの怒りの矛先は今、メイシスに向けられている。

 そんな中、村へ出るなんて自殺行為に過ぎない。


「メイシスさんが言っていました。"自分の運命に抗ってみたいの。自分の手でこの物語を終わらせる"……と」


 その言葉にメイシスの覚悟を感じた。

 だが、そんな簡単なことではないことは、メイシスが閉じ込められていた長き時が証明していた。


「村へ急ごう」


 もしかしたら今日、一人の人生が大きく変わるかもしれない。

 そう思うのだった。




「くそっ、どうなってやがるんだ……」


「被害に遭った方はこちらへ!」


 ユズルとユリカが魔人と接触していた頃、ウィズダ村では影による侵食の被害者が増え続けていた。

 原因が不明な為医者が機能せず、被害者は村の集会所に集められていた。

 その集会所の扉が、不意に開く。

 慌ただしく騒音が絶えない集会所から、一瞬にして音が消える。


 人々が黙って開かれた扉の方を見た。

 いや、開かれた扉を見て声を発するのをやめたのだ。

 その視線の先には、忌々しい魔女の姿があった。

 

 悲しい顔を浮かべた魔女 メイシスは入口付近にいた少女の手を取る。


「プリフィケーション」


 触れ合う手が光だし、それが少女の全身を包み込む。


「うちの娘に触らないで!」


 親が隣でそう叫び、メイシスを引き離そうとする。

 だが、メイシスは顔色ひとつ変えずに詠唱を続けた。

 次第に光は薄れだし、やがて手が離れる。


「アンナ!」


 母親は少女を抱きして、目に涙を浮かべながらメイシスを睨めつけた。


「あんた、今何したのよ!」


「……っ」


 強い言葉をあびせられ、メイシスは唇を噛む。

 そんなメイシスを救ったのは、腕の中にいた少女だった。


「ママ見て!私の手、治ってる!」


 その言葉を聞いて母親だけでなく、周りにいた人も少女の腕に視線を向けた。


「……私は確かに魔女です」


 静まり返る集会所にメイシスの声が響く。


「ですが今回の件は私のせいでは無いです。私が言ったところで信用出来ないのは重々承知です。ですが誤解されたままでは、私も辛いです……」


 その悲しい声と心の叫びを聞いて、村人たちの警戒心が揺らぐ。


 少しずつでいい。

 自分の手で変えていくんだ。




「信用してくださる方は私の前へ。必ず救います」

<あとがき>

ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!


今回の話はかなり短くなってしまって申し訳ありません汗

納得がいかず編集を続けているうちに短くなってしまいました…。

ですが!次話は第3章の物語が大きく動く話となっておりますので是非楽しみにしていてください!


そして、pvや感想、ブックマーク等とても励みになっております!ありがとうございます!


これからもよろしくお願いします!

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