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王宮の青い薔薇の娘って? 3 登場人物メモ

イライザ嬢はゲームのあらすじと人物紹介をしてくれた。(メモってくれました)


〇アーロン・オーリィ 

王太子 ツンデレ 銀髪と深い青の瞳       


〇ニール・グーチィ  

宰相の息子 サドデレ 金髪と青い瞳  


〇ラシーン・デュムン 

大公で辺境伯の息子 キリデレ 白金の髪(プラチナブロンド)と青い瞳   


〇ソル・ジャン    

平民出身で魔術の天才 鬱デレ 黒い髪と黒に近い青の瞳    

宮廷魔術師長の養子(卒業後正式に籍に入る予定)


〇レイ・シュバリィー 

将軍の息子 クーデレ ブラウンの髪と水色の瞳    



〇バッドエンドの隠しキャラ ヤンデレ

誰かは分からないとのこと(そこが一番大事なのに!!)



〇イライザ・グーチィ 

宰相の娘 金髪と水色の瞳の派手目の美人でナイスバディ 

我儘で傲慢な性格。田舎者で身分が低いのにチヤホヤされるヒロインをイジメて、全ルートで失脚する


アーロン王太子   イライザ嬢の婚約者

ニール・グーチィ  イライザ嬢の双子の兄

レイ・シュバリィー イライザ嬢の幼馴染



〇フローラ・ベフトン

王女の娘という秘密を持つ男爵令嬢 膨大な魔力と魔法の才能を持ち「聖女の魔法」を使える 

緩やかなウェーブの金髪と深い青色の瞳 スレンダー巨乳 誰にでも優しい 

明るく素直な性格 天真爛漫


攻略対象の性格?は、ツンデレくらいしか知らないが…それは置いておこう。


うーん、まずイライザ嬢は我儘どころか令嬢の鏡って言われてるし……私は明るく天真爛漫ではなく、どちらかと言うと地味で友人以外には人見知りな方だ。

攻略対象とイライザ嬢はいつも一緒にいて、所謂リア充軍団に見える。


それにくらべて、私はごくごく普通だと思う。確かに魔法の才能とテストの点数はトップだ。

私の名前を知ってる人間も多いだろう。

でも、それ故に私は地味に大人しくしていた。


元々、前世でも目立つのは嫌いだし、出る杭は打たれる的なことは嫌だったから。

前世では、点数が良すぎると嫌味を言われたりしたので、今回も性格のいい友達をゲットした後は他人にあんまり関わらないようにしていた。

もちろん、友達以外から話しかけられたら話すが、無礼にならない程度の義務的な態度で接している。


根本的に私とイライザ嬢のキャラ設定が現実と全く違う…お互い前世の性格に引っ張られてシナリオ変わってるんじゃ?

こんな状態で、まだ間に合うとは思えないんだけど…。


「そもそも私、そんなにモテる方じゃ無いと思うんですよね」


「不思議なんですが、フローラさんは容姿は凄く良いと思うんですよ。ゲームの通り金髪のユルいウェーブの(つや)やかな髪に、深い青のパッチリとした目、スタイルもいいし…でも、どうして髪の毛おさげにしてるんですか?」


「どうしてって、髪が長いので邪魔にならないようにって理由だけで…ゲームでは違うんですか?」


私は長い髪を前髪込みのオールバックで一本の三つ編みにしてる。毎日同じ真面目系女子な髪型だ。


「ゲームでは、ハーフアップにして綺麗な金髪の(ゆる)やかウエーブを垂らして、可愛らしいリボンを付けてて…華やかな感じです」


「なるほど、そういうのも違うんでしょうが、決定的に違うのは性格だと思うんですよね」


「それは感じてました。ゲームでは明るくて華やかで全ての人を魅了するザ・ヒロインって感じだったんですが…今のフローラさんは大人しい真面目な可愛い子って感じですもんね」


「たぶん、ゲームのヒロインと私はオーラが全くの別物だと思うんですよ。一卵性の双子でも明るい子と暗い子で印象が違うように」


前世のクラスメートで見た目はそっくりなのに、性格が正反対の双子がいて印象が全然違っていたことを思い出す。

明るい兄はクラスの人気者だったが、暗い弟の方はいるかいないか分からない感じだった。


そのことを説明すると、イライザ嬢は納得したようだった。


「確かに、私も悪役令嬢と性格が全く違うので、攻略対象の私への印象もゲームとは違うでしょうね。私の場合は、意図的にそういう風にしてきた…っていうのもあるんですが…」


「正直な話、イライザさんと攻略対象の人達は、私とは違う人種に感じてて……。前世の言葉で言うとリア充に見えるんですよ。そんな関係性が出来てる中に、ヒロインと性格も印象も違うヒロインオーラゼロの地味な私が入っていけるとは思えないんですよね」


特に、双子の兄ニールを筆頭に、アーロン王太子と将軍の息子レイも小さい頃からイライザ嬢を知っているそうで。悪役令嬢のイライザ嬢は、その3人に嫌われないように好かれるように努力してきたそうだし。


そこに、ヒロインとは似て非なる私が割り込むなんて不可能に近い。

性格が良いイライザ嬢は見た目もスタイルも身分も極上の女性なのだから。


イライザ嬢も私を今更イジメるなんてしないだろうし、私も前世含め50年以上この性格で生きてきた、今更キャラ変は無理があるだろう。


そのことも言うと、イライザ嬢は眉間にしわを寄せ考え込んだ。


「今思うと、フローラさんは気づいてなかっただけでしょうけど、ゲームの好感度を上げるイベントはあっても、完全に選択肢以外の反応でしたものね。初めはワザトかと思っていましたが、ゲームを知らない別人格のフローラさんなら当然の結果ですよね」


「イベント起きてたんですか…」


「兄が『めんこい』と言う言葉を聞いた場面。それが本来出会いイベントだったんですよ。猫を可愛がっているフローラさんに兄が話しかけるって言う。でも、良く分からない言葉を使う貴女に声をかけられなかったらしいんですよね」


「…まあ、そうでしょうね。その状況では、ただの怪しい人ですもんね、私」


「それ以外にも、アーロンとは入試テストが一位同士の男女ということで生徒会に入るという出会いイベントがあったんですが、無かったですよね?」


「そうですね、一応、ほぼ満点の成績だったそうなんですが、歴史の答えの欄を間違ってしまったらしくて一番になれなかったんですよ」


社会科の先生に入学したての時『これからは気をつけなさい』と、忠告されたんだった。

そんなしょっぱなからイベントを潰していたのか。


「レイとは、休みの日に一人で出かけた貴女が暴漢に襲われそうになり、レイが助けるという出会いイベントがあったんですが、休みの日はいつも友人と4人で出かけてるみたいですし…無かったですよね。これは私のせいもあるというか…私が貴女をイジメるのでゲームのヒロインは女性の友達がいないんですよ。 でも、今の私は貴女をイジメないので普通に貴女は友達を作ったし…」


「複合的な理由ですね」


「ラシーンとは、貴女が一人で行く図書館で出会いイベントがあるんですが、やっぱり貴女はいつもお友達といたので無かったみたいですし…」


「…そうですね」


「ソルとは、魔力の強い貴女に興味があって話しかけられたと思うんですが、結構な塩対応だったようでしたし…」


「ああ、そういえば『貴女の魔力と魔法に興味があるから放課後どうか?』みたいに言われて、放課後は友達とケーキ食べに行きますし、スミマセンって感じで3回くらい断ったんですよね」


「ソル以外は、出会いイベントすら発生してないですもんね。唯一ソルとの出会いイベントも3回も断るなんて…」


「まさか、こんなことになるなんて思ってなかったんで、普通に友達優先の楽しい学園生活を堪能していました…」


うーん、まさか乙女ゲームの世界なんて発想なかったし、新しい人生を私なりに頑張ってたし、恋愛より友達は前世からの私の性格だしなぁ…。割と模範的な生徒をしていただけなのに「凌辱監禁バッドエンド」が私の未来って…。

いくらなんでも、予測不能だし理不尽過ぎじゃない…?


「兄とソルは、まだ大丈夫なんじゃないかなって思うんですけど。兄とは双子なので私と仲が良くても絶対に恋愛関係にはなりませんし、ソルも私との付き合いは浅いですし、何よりまだ貴女の魔力に興味はあるみたいなんですよね」


私でも入っていけるって言いたいんだろうけど…。


「そう言われましても…実は私、前世の兄が二人ともタイプの違うクズだったので基本的に男性が苦手で。しかも仲が良い素敵な女友達が3人もいますし。話を聞いてると女友達ゼロで、攻略対象とずっと一緒にいなきゃいけないんですよね? ちょっとキツイです…」


「あれ? でも結婚して、お子さんいたんですよね?」


「それは、前世の私に奇跡が起きたんです。夫が本当に優しい人で、男嫌いの私が両思いになる奇跡が…。正直、トータル50年以上生きてますが、男性を好きになったのは前世の夫だけですし…今も夫だけが好きです」


「うーん…ソルは優しいとかよりチョット変わった人なんですが、一応、今の兄は優しいですよ? でも、前の旦那さんの存在があるなら無理ですか? でも、そう言っているとバッドエンドが…」


「まあ、そうなんですが、色々話しを聞いていると、私とイライザさんがこんなにゲームと性格が違うし、シナリオもだいぶ変わってると思うんですよね。その隠しキャラも私を好きになるとは限らないんじゃ?」


「…確かにそうかもしれませんけど…」


「とりあえず、母の正体が皆にバレなきゃいいんじゃないですかね?」






だめ…??


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