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いざ、ギルドクエスト!

おれとゼラスは玉座の間を出た後、ギルドに行って自己紹介を兼ねて、部屋の手配などをしてもらうことになった2人でギルドに着くと、どうやらギルドの受付に話が通してあったようで、和かに迎え入れてくれる。


「話はグレンさんから聞いてるよぉ。騎士団の方は私が窓口を一括してやらせてもらってるの、よろしくお願いしますぅ。」


やたら間の伸びた話し方をするピンク色のミディアムヘアの受付嬢はマロンと言うらしい。きっと、騎士団の男どものハートをこのおっとりした話し方で離さないのだろう。


「それじゃ、まずは最初に受けてもらいたいクエストを選んでねぇ。」


おれたちが騎士団に所属していることを知っているので、Cランク以上のクエストのファイルを持ってくる。何故かその手にはSランクのファイルまで入っているのが目に入る。


「グレンさんからは2人には討伐系のクエストを受けさせるように聞いているので、これなんてどうかなぁ?」


そう言って見せて来るのはAランクのファイルから選んだ1つ。


「ご、ゴブリンエンペラーの討伐。」


ゼラスが思わず絶句している。おれはイマイチどんな魔物か想像がつかないから聞いてみる。するとおっとりマロンちゃんが代わりに応える。


「うーん、簡単に言うと、世界中のゴブリンの王様だねぇ。」


うん、そりゃネーミングを聞けばわかるよ、姉ちゃん。おれが困り果てた顔をしていると、しょうがないなぁと言った雰囲気で続ける。


「簡単に言うと、ゴブリンエンペラーにたどり着くまでに何千匹かの子分のゴブリンを倒さないといけないってことねぇ。ゴブリンエンペラー自体はそこまで強くないんだけど、その生態系から、Aランクになってるよぉ。」


この姉ちゃん、可愛い顔しながら冗談きついぜ、全く。おれがマロンの説明を話半分で聞きながらパラパラとSランクのファイルを見ていると、ゴールデンゴーレムやら、アークドラゴン、グランドスライムなど、名前だけでもお腹いっぱいな魔物が名を連ねていた。


「さすがショウくん、Sランクに目をつけるなんて志が高いねぇ。一回行ってみみるぅ?」


いやいや、そんな「一本いっとく?」的な流れで言われても、「行ってみますかぁ!」とはならないからね、残念ながら。ゼラスも最初は笑って受け答えていたがそのうちどうやらマロンの相手に疲れて来たようで、真面目な質問をする。


「ちなみに、ぼくらが試験で討伐したアーガンスキメラって、討伐のクラスでいったら、どの辺なんですか?」


マロンはちょっとまってね、と言いながらぶっといファイルをよっこらせと取り出し、おれたちのみているファイルの上に置く。


「うーんと、たしかこの辺にぃ、、あ、あったぁ!うん、Dランクだねぇ。」

なるほど、まぁ騎士団に入ったらギルドでCランクって言うくらいだからそんなもんか。


「じゃあ、やっぱり最初はBランクか、Cランクぐらいがいいかな。」


ゼラスに同意を求めると、どうやら同じ考えだったようで、ゼラスも頷く。


「えぇっと、2人は近接攻撃が主力なんだよねぇ?じゃあ、これなんかどうかなぁ?」


何十枚もの依頼が纏められたBランクのファイルを漁りながら、1枚の依頼書を取り出す。そこには、「嘆きの洞窟のキングスライム討伐」と書かれていた。


「うん、良いですね。嘆きの洞窟ならここからさほど遠くないし、キングスライムもショウくんの斬撃があれば難しい相手じゃない。」


あ、おれが頑張る感じなんだ。まぁでもたしかに、打撃攻撃であのブヨブヨは倒すのが難しそうだ。


「うん、じゃあこれにしよう。マロンさん、これにするよ!」


こうして、おれたちの初めてのクエストが決められた。


◇◇


その後、おれたちはマロンおすすめの家をいくつか見させてもらい、城の正門と居住区と商業区のちょうど間くらいにある比較的高級なアパートにすることにした。通勤経路が短いというのは、大切なことである。多少の出費はやむを得まい。ゼラスも同じような考えで、なにかと近い方が便利だろう、という話になりおれたちは同じアパートでそれぞれ部屋を借りることにした。


こうして、一通りの手続きが終わったおれとゼラスは商業地区にある定食屋で食事をとりながら小声で会話をしていた。


「それにしても、戦争だなんて驚きだよね。」


ゼラスも周りを伺いながら頷く。


「はい、お互いそれなりに協力して繁栄してきたから、オスタにとってもあんまりメリットがない気がするんですよね。それに、王を殺されたからと言って戦争を仕掛けるっていうのはちょっと短絡的すぎる気もします。」


やはり同じ考えか。これはちょっと色々探った方が良さそうだな。というか、今更だが疑問が生じる。


「ところで、何でゼラスは歳下のおれに向かって敬語なの?」


ゼラスは少し困りながら言葉を選び答える。


「敬語を使わないと、方言が出てしまってどこの地域出身か、というのがわかってしまうので。」


ほう、関西弁も敬語ならでないのと同じ理屈か。だが、それなら更に疑問が残る。

「え、なんで出身地がわかるとよくないの?」


ゼラスはその開いてるんだから開いてないんだから分からない目を片目だけ開けて、人差し指を口の前に当てながら言う。


「それは秘密です。」


まぁ人の出身地には色んなことがあるからな。あまり詮索するのはよくないな。


「そっか、まぁまた気が向いたら教えてよ!」


おれは運ばれてきたチキングリルにがっつきながら適当に話を変えるのであった。

とりあえずギルドでキングスライムなんてベタな名前の魔物を討伐することになった2人。そこまで強い相手でもなさそうな雰囲気ですが、2人は無事討伐できるのでしょうか?


そして、本編とは全く関係ないですが、ゼラスの名前とこのセリフ、お解りの方はもうお分かりでしょう。大好きだったんですよねー、昔。筆者の世代がバレそうですが。でも、当時あの作品が好きだったからこそ、今こうしてラノベを書いてるのかなぁなんて思ったりもします。

はい、蛇足すみません。引き続き本編をお楽しみください!

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新作、始めました! 不遇な扱いを受けていた少年コウが、その境遇に隠された力を使いこなし、内面と向き合いながら強くなっていく冒険譚です! 是非、お読み頂けると嬉しいです!

忌み子のボクが、“気”と自分を受け入れたら、いつの間にか世界の命運を握ってました-

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