圧倒的な実力者
皆さまいつもご購読いただき有難うございます。
これまでコツコツと連載を続けることができたのは皆様がアクセスしていただけていたからに他なりません。
お陰様で、連載から約2ヶ月弱ですが連載当初にマイルストーンで置いていた10000PVを達成することができましたのでこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
そのお礼を兼ねて本日は2話掲載とさせて頂きました。
引き続き、お楽しみいただければ嬉しいです。
最後になりますが、後書きにほんの少しばかりご相談を書かせていただきましたので、そちらも併せてご覧頂けると嬉しいです。
それでは、一先ず本編をお楽しみください!
ゼラスとの試合が終わるとおれはタリスとマーナが待つ観客席に戻る。なぜか一緒にアリスもちょこんと座っている。タリスがアリスに聞こえない小声でおれに耳打ちする。
「お前と似たところを伸ばした良い相手だったな。」
「うん、ほんとに。身体強化を見たときはちょっとびっくりしたよ。」
でも、あれだけの相手に身体強化なしで戦えたという実績はおれの中で自信につながっていた。しかし、おれの自信は次のアキラの試合を観てすぐになくなる。
アキラの相手は如何にも魔法使いっぽい長いローブを纏った少女。まさに魔法少女だ。残念ながら髪の色はピンクではない。試合開始と同時に彼女は地面に手を当てると、ステージから突然アキラめがけていくつも石の柱が飛び出してきては消える。そう、土魔法だ。殺さないために先が尖っていないが、実戦では先端を尖らせるのであろう。ニョキニョキとキノコの生えてくる様子を超早送り再生したかのように、地面からアキラに向かって斜めに生えてくる石の柱。突然生えて自分に向かってくる柱は正直予測のしようがなく、出て来てから対処するしかないがそれをアキラはひょいひょいと躱して、魔法少女に向かって突き進んでいく。
魔法少女は岩の柱をものともしないアキラに顔をしかめる。
「それなら、これでどうかしら?」
魔法少女は胸の前で手を組み、魔素を高めるとその両手を地面にあてて魔法を発動させる。
「来て!ゴーレム!」
すると彼女の前に人間の大男よりもさらに大きな石でできた人形が現れる。ゴーレムと呼ばれた岩の人形は目の前に迫り来るアキラをその大きな拳で殴り飛ばそうとする。その大きな体からはイメージできない速さの拳がアキラに向かって突き出される。その拳に対しアキラは真正面から相対し、次の瞬間
「フン!」
アキラが木刀を目にも写らない速さで振るうと、ゴーレムの拳に当たった木刀は木っ端微塵になる。
「木刀では岩を砕けなくてよ?」
魔法少女は得意げにそう言ったが、残念ながらそんなことはなかったようだ。アキラの剣を受けたゴーレムの拳は真っ二つに割れ、そのヒビは腕の中盤まで進むとゴーレムの腕を破壊した。
「そ、そんな。」
驚き戸惑っている魔法少女だが、あっという間にアキラに間合いを詰められると、慌てて言葉を振り絞る。
「わ、私の負けですわ!」
アキラはその場で立ち止まり、魔法少女がゴーレムを消滅させるとグレンが勝者を告げた。
「勝者、アキラ!」
グレンが勝者を告げるのを聞いてアリスがぼやく。
「なんなの、あのアキラって言うやつ。反則じゃない。」
ほんの一瞬の出来事だった。魔法少女の攻撃はそれなりのスピードだったし、何より手数はかなり多かった。それにもかかわらずアキラはその攻撃を諸共せず、最後には岩を木刀で割って崩すという荒業をやってのけた。アリスの言うことも最もだ。だがおれにも手がないわけではない。
「まぁ、できるだけのことをやってみるよ。」
この時のために準備した短刀を二本持っておれはステージに向かう。決勝戦はグレンがアキラと話をして10分後となったらしい。アキラは特に休みはいらないと言っていたらしいが、流石にそれは不公平だと言う話でこうなったらしい。
おれは少し早いがステージに上がると、退屈そうにしていたアキラがこちらに気がつく。
「ようやくこの時がきたな。」
「そうだね、でも、おれ、君にあったことあるかな?二次試験の始める時もこっちを見てたよね?」
「いや、あったことはない。だが、面白そうなやつだなと思っただけだ。」
「ふぅーん、そっか。」
おれはどっかであったことある気がするんだよなぁと思いながら、記憶の中を探してみるがイマイチ思いつかない。まぁ考えていても拉致があかないな、と考えるのをやめる。試合が終わったら色々と聞いてみよう。
おれは目を閉じ、これまで何度も行ってきたアキラとの試合をイメージする。これまで見せたアキラの動きはどれもおそらく本気ではないだろう。いきなり本気は出してこないだろうが、どの程度の実力なのかは見定めないと、迂闊に攻撃ができない。そこでおれは少し消極的かもしれないが初手は受けに回ることに決めていた。ここで、どれだけアキラに全力に近い実力を出させるかがこの試合の鍵である。幾つものアキラからの攻撃をイメージしながら、躱しきるおれ自身をイメージする。うん、なんとなくイメージができてきた。
しばらく経つと、グレンがおれとアキラを見て確認する。
「時間だが、初めても問題ないか?」
おれとアキラはお互いを見合って、そしてグレンに向かって頷く。
さすがは決勝戦。観客席を見渡すとこれまで戦った試験参加者や、騎士団らしきメンバー、そしてギルドで出会ったグレイブの姿もあった。
「それでは、騎士選抜試験決勝戦、始め!」
始まりの合図はかかったが、おれとアキラは構えてこそいるものの、相手の様子を伺ったままその場でジリジリと距離を詰めるに留まっていた。まさか、アキラも同じ考えだったとは。
見ている観客から、野次とまではいかないまでも不満の声が聞こえる。
「決勝戦だっていうのに随分静かだな。見合ってるだけじゃ何もかわらねぇぞ。」
「これなら準決勝の方がよっぽど決勝戦っぽかったわ。」
しかし、観客席の最前列にある特別席にいたグレイブはこの様子を見て微笑む。
「まぁ、こうなるよね。」
おれもアキラも、これまでの試合で全力を出し切っていないことを理解している。だから迂闊に攻撃すると一瞬で勝負がついてしまう可能性があることを懸念しているのだ。ただ、このままではどうしよもないことも理解しているので少しずつ相手に近づきながら攻撃する機会を伺っているのだ。
「しゃーないな、こっちから行くぞ!」
アキラは地面を蹴るとこちらに真っ直ぐ突っ込んでくるがおれはそれを正面から見据える。アキラから繰り出された突きを躱すと、今度はおれから出来るだけ距離を詰め、アキラから離れない位置で攻撃を躱し続ける。
「どうした、攻めてこないのか?」
アキラはまだまだ話をする余裕があるようだ。このまま避け続けているだけでは一向に拉致があかないだろう。アキラの挑発に乗るような形になるが、おれからも両手に持った短剣で攻撃を仕掛ける。
「ほう、短剣の二刀流か、お前の体格にあったいい選択だ。」
ちくしょう、こっちも攻撃してるっていうのにまだ喋る余裕があるのか。おれが間合いを詰めて攻撃をしている甲斐あって、アキラからの攻撃頻度は減っているがそれでもやっぱり追い詰めるには至っていない。
しょうがない、少しずつだが手札を切っていこう。そう思い、おれは気を引き締めるのであった。
このアキラ、こいつも相当チートな匂いがしますよね。しますよねー、だって、まぁそうですよね。
歯切れが悪くすみません。でもアキラのチートはやむなしです。(笑)
さて、前書きで書かせていただいたお願いについて、なろうの読者の皆様であればもうお察しの通りかと思いますが、もしよろしければこれまでブクマをされてない方はブクマを、ブクマしていただいている方はどんな評価でも構いませんのでご評価をいただけると嬉しいです。
特に、
ここがわかりにくい
ここの話は面白かった
もう少しこういった描写をした方が良い
文法的に、、
などなど、アドバイスを頂けると嬉しいです。もちろん、単純に話がつまらない、とか展開が遅い、などといったコメントでも構いません。
読者のみなさまにお手間をおかけしてしまうことになるのは百も承知です。ただ、そのお手間の分以上に作品という形でお返しできるように尽力したいと思いますので少しお時間いただき、ポチポチしていただけるも嬉しいです。
それでは、長くなりましたが明日も通常通り連載を続けさせていただく予定ですので引き続きよろしくお願い致します。