ブック2、種族スキル、キャンプブック
調べるのに結構時間を費やしたせいで辺りはもう真っ暗だ。
幸い明かりがあるから本を読むには困らないけどちょっと怖い。
とりあえず現時点での成果。
ブック。
クエストブック。
アイテムブック。
ステータスブック。
スキルブック。
ワールドブック。
コレクターズブック。
キャンプブック。
多いよ!
とりあえず色々と試してこれだけ見付かった。
内容は……うん。
一つ一つ見ていこう。
まずはブック。
最初に召喚したやつ。
習得スキルとスキルショートカット、それらのヘルプが付いている。
ヘルプでスキルを見ても、火球とか石壁みたいに簡潔な説明しか載ってない。
お次がクエストブック。
受注した依頼の目的地や情報が見られる本。
一応依頼者の名前も見れるけど、知らない相手は???になってる。
つまりあのジジイも???だ。
一応履歴も見れるらしく、そっちの依頼者は冒険者ギルドになってた。
次、3番目。
アイテムブック。
名前からアイテムボックスを連想するけど大体そんな感じ。
開いた本に物を押し付けると吸い込まれて、入れた物が本のページに画像となって印刷される。
取り出す時はそのページを破るか、ページ数を指定して声に出すと実体化する。
ページ数は600ページあるけど、一度破っても本を閉じると次に開いた時にまた600ページに戻ってる。
固体液体気体の区別無く吸い込めるが生き物は不可。
他人の所有物も入れることが出来ない。
4番目。
ステータスブック。
ステータスと言ったら数値を思い浮かべるけど、これはグラフだった。
しかもHPとかMPとかは載ってなかった。
代わりに載ってたのが、攻撃、防御、耐久、敏捷、器用、幸運、魔攻、魔防の八角形グラフと。
物理、魔法、無、火、水、土、風、光、闇、癒の十角形グラフだ。
この内、魔攻、魔防、魔法、火、水、土、風、光、闇、癒の10個は最大になってた。
次いで高いのが無で、大体最大値から8割くらい。
その他は1割にも満たなかった。
すげー極端だな。
―――◆――◆――◆――◆――◆―――
5番目。
スキルブック。
習得スキルが分類毎に区分けしてしてあり、詳細情報が載ってる。
検索やソートなどにも対応してて、かなり見やすい。
ただ、この本ではスキルショートカットに登録できない。
完全にスキル辞典だな。
武器によるスキル習得率も載っていて、ストーンウォールが使用可能になってた。
あと声に出して発動する所謂アクティブスキルだけじゃなく、パッシブスキルも表記されてる。
ちなみに俺の持ってるパッシブスキルはこの3つ。
基礎の物理素養 ランクD
ランクDまでの物理スキルを発動できる。
物理攻撃力、物理攻撃力が追加上昇。
肉体回復速度が追加上昇。
神授の魔法素養 ランク0
全ての魔法スキルを発動できる。
魔法攻撃力、魔法防御力が追加上昇。
魔力回復速度が追加上昇。
神授の種族魔法素養 ランク0
全ての種族魔法スキルを発動できる。
魔法攻撃力、魔法防御力が追加上昇。
魔力回復速度が追加上昇。
ランクはFからAまでと9から0までがあって、Aの上が9になる。
16進数を逆から数えるみたいな上がり方だな。
これも習熟度があって、何度も対応したスキルを使うとランクが上がる。
種族魔法スキルってのは読んで字のごとく、特定種族しか発動できないスキル。
ちなみにラプラスは獣種族魔法、フューリーブラッド不明種族魔法に分類されてた。
不明て。数が少ないと不明になんの?
それでも何でラプラスやフューリーブラッドを使うと驚かれるのか分かった。
見た目人間にしか見えない俺が、特定種族専用のスキルを発動したらびびるわなー。
―――◆――◆――◆――◆――◆―――
えーと、何番目だっけ。まあいいや。
ワールドブック。
オートマッピング機能搭載のワールドマップ、のような物。
今までに行った事のない場所は空白になってる。
この本によると、現在地は俺が昨日までいた街、フラウウェンの北西にある森の中ですね。
って親父が言ってた方向の真逆じゃん!
つーか街の名前今知ったし!
まだまだあるよ!
コレクターズブック。
今までに入手したアイテムの情報と人物図鑑が一緒になった本。
全て俺の知識が元になってて、俺が知らないことは載ってない。
これ存在する意味あんの?
青髪オッサンで登録されてるのは笑ったけどさ。
ラスト!
キャンプブック。
現在展開してる。
明かりの光魔法が永続付与されたランタン!
魔物避けの魔法陣の上に設置されたテント!
肉体回復速度と魔力回復速度が上昇する寝袋!
展開する毎に中身が元通りになる携帯食料と水!
以上、万能4つ道具をいつでも取り出すことの出来る本!
って万能すぎるわ!
助かったけど!とっても助かってるけど!
何とも釈然としない気持ちになる。
転生した時の無垢なる心はどこへ行ってしまったのか。
すべてはこの便利な本が悪い。
現代人にこんな便利なものを寄越して抗えるはずもなし。
……もう今日はここで寝てもいいかな。
色々ありすぎて疲れたし。
明日のことは明日の俺に任せよう。
キャンプブック以外の本をエンドで仕舞って寝袋に潜り込む。
あっ、幼女地べたで寝かせたまんまだ。
まあいいか。寝よ寝よ。
こうして夜は更けていった。