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新人勇者と新人魔王  作者: 如月楸
{Impression}
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3rd Impression

 乗客たちが喚きだして数分もしないうちに学園都市アンパサンドのAIシステムのサキからのアナウンスが流れた。


 「緊急!緊急!学園都市センターターミナルにてテロ行為が確認されました。皆さんは自席にて待機をお願いします。繰り返します・・・」


 いくら、ここが世界一の安全性を誇っているとしてもテロなんてものが目の前で起こってしまえば誰だって不安を隠せるわけがない。それは僕だって例外じゃない。こんなことが起きてしまえば僕の身元が明らかになってしまう可能性は拭いきれない。

 アナウンスにより今の状況を把握したものの中にはすでに冷静さを持ち直し静かに座っているものもいれば、不安が好奇心に変換し車内の窓からセンターターミナルの方を向き直接状況確認を図ろうとする人も現れた。と言っても依然として車内は不安と緊張に包まれている。


 「いたたたた・・・。もう何なのよ、ほんとにもう!」

 

 彼女は急停止の衝撃に耐えられず倒れてしまい、今も通路に座っている。さらには足首をひねってしまったらしく両手を足首に当てている。

 ふと何かを思い、窓の外を伺う。窓から見える風景は至って普通で変哲がない。いまもテロ行為が起きているとは全く思わせないほどの落ち着きがあった。それとは裏腹にこの車内は騒然としいている。

 車内の空気はだんだんと怒りや焦りに変わってきている。

 誰にもこの怒りをぶつけることが出来ずに更にいらつきは高まっているようだった。

 この列車は開発組織ジェネレーションの派生会社が作ったものだったはずだ外部からの攻撃ならほぼ100%安全性は確保されるが・・・1つの可能性を除けば・・・。

 

 『...フュイン...』

 「デバイスの起動ノイズか・・・くそっ!」


 ババババババババンッッッッ


 隣の号車だろうか突然の銃声が鳴り響いた。と車内では悲鳴が鳴り響いた。

 やはり、内部にもテログル―プの仲間が潜んでいたか...しかし、この列車には学生しか乗っていないはず・・・ということは、

 

 「ねぇ、あんたこれっていったいどういうことなの?デバイスのノイズってあんた何者なの?」


 と僕に問いかけてきたが答えている暇はない。

 ここに乗り合わせている乗客たちは開発組織に選抜されたばっかでデバイスなんて使って戦うことなんてままならないただの先駆者フィスター見習いだ。いくら、関わる気が無いと言っても無力な人たちを危険な戦地に置き去りにして逃げるなんてそんな非人道的なことは僕には出来ない。どうにかしてここにいる人たちを救わなければ・・・。

 乗客たちは急停止に続き銃声が鳴り響き混乱のピークを逸脱してしまった。泣き出す少女、逃げ出そうとドアをこじ開けようする少年、祈る人まで現れている。

 くそ・・・能力を使うなんて不本意だがやるしかないか、でも、一人ではさすがにこの狭い空間では難しい。せめて、剣術使いがいてくれれば・・・ダメもとだが・・・


 「すみませんっ!剣術使いの先駆者はいませんか?初心者でも構いません!どなたかいらっしゃいませんか!犯人を取り抑えるのを協力してほしいのですが・・・」


 僕の問いかけは騒然としていた車内に透き通るように響渡り、皆こちらを見たが次の瞬間・・・


 「そんなこと出来るわけないだろ!隣の号車の悲鳴が聞こえないのかよ!」

 

 ドア隅で外を見つめてる男子生徒おぼしき人が言った。

 そう言われて初めてこの悲鳴が隣の号車からのものに気付いた。

 この号車の人達は、だんだんと落ち着きを取り戻し始めている様に思えた。


 「分かっていますが。このままではこちらの号車にまで被害が拡散してしまいます。幸いにもテログループの内部犯は最後尾の車両にいます。

どうにかして、ここで食い止めておきたい、どなたか力を貸してはいただけませんか?」

 「無理に決まってんだろ。俺らは・・・何にも出来ないんだよ・・・」


 涙交じりに別の男子生徒がそう言った。

 やはり無理なのか、一人でやるしか・・・しかし、相手が持ってるのは連射型の機関銃だろう。手を抜いてやるわけにはいかない。

 なんでこんなこと・・・


 「私が・・・私がいるわよ」


 突然の申し出に車内の乗客の視線が集まる。彼女に視線が集まるのはこれで2回目だった。

 彼女の手には起動前のデバイスが握られている。フォルムを見る限りでは近接型のもの、それにこれは・・・聖剣の紋章グランドオーダー


 「脚は大丈夫なの?」

 「えぇ、この私が捻挫程度でどうにかなるとでも御思いですか?」

 「いいや、思わない。うん、そうか。お願いする。作戦は・・・」

 

 手短に説明を済ませると僕は他の乗客に支持をする。


 「これから僕と彼女で内部犯を取り押さえます。相手のデバイスは機関銃だと思います。いくら、敵のデバイス使いが初心者だとしてもあたりどころが悪ければ体内の聖石ニューマテリアルに損傷が出るといけません、車内の奥に集団となって集まってプロテクトを展開出来る人積極的にお願いします」

 「車両間の移動はきっとAIシステムによってロックされているはずです」


 彼女の追加説明もあり皆、素直に言うとおりに動いてくれた。

 

 車両間にあるドアの窓から内部犯の動きが伺える。最終号車の乗っ取りに成功したらしく乗客は拘束されている様に見える。内部犯は誰かと連絡を取っているのか携帯端末をとりだした。


―――――――― 


 「こ、こちらK。こちらK。最終号車の占領に成功。デバイスの状態も良好。ほんっと最高です」

 「そうか。なら引き続き列車のジャックを続けてくれ。検討を祈る」


――――――――

 

3rd impressionで取り合えず区切りをつけようとしたのですがなんか5thぐらいまで行きそうで怖いw

しかし、楽しんで呼んでいただければ本望です。

では、今後もよろしくお願いします。

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