1st Impression
僕が今日から通うことになっている学園、聖蘭学園の生徒会長アルフォード=フィリスからの手紙の指示に従い僕は学園都市に向かっていた。今いる都市インペリウスからこの列車に乗れば1本で行くことが出来ると書いてあった。周りをを見渡しても学生らしき若い人が沢山いる。彼らもあそこを目指すのだろうか。まぁ、僕には関係のないことだ。気にせず、列車に乗ることにした。
列車は高級感に満ち溢れておりついつい自分には不釣り合いだと感じてしまう。今までの貧乏...節約生活では考えられないほどの装飾が施してある。あまり観賞していると頭が痛くなってくる気がして自分の席に向かった。
A‐3...あった。はぁ、先約がいるようだった。列車の席は2つの席が並び通路を挟みまた2席並んでいる。内装にあったゆとりのある席だが可能ならば隣はいない方が良かった。しかし、こんなことを気にしたところでどうにもならない。座席上の棚に自分の荷物を押しやり席に着く。ポケットから今では珍しい音楽プレイヤーを取り出し装着する。良かったことに自分の席は通路側で隣の先客には迷惑をかけなくて済むらしい。ここまで少し気を張り続けていたのか、席のふわふわが僕の眠気を誘ってくる。しかし、すぐにホームにいたであろう人たちがぞろぞろと列車に乗り込んできた。それを合図にしたかのように列車は軽い揺れと共に発車した。すると、すぐに席前に映像が表示され車内アナウンスが流れた。僕はプレイヤーの音をオフにして目を閉じアナウンスだけ聞くことにした。
「皆さんこんにちは私はこの学園都市のAIシステムのサキです。皆さんがこれから向かうのは世界最大の学園都市にして最大の都市国家です。この学園都市は、2019年の未曾有の大災害後に発見・開発された聖石により新たな力を得た人類先駆者のための都市です。ここでは日夜、新たな技術開発の他、5つの学園による先駆者の育成をしています。聖蘭学園、フィースフォード学園、ガリオゲル学園、パラディン学園、陰陽学園、それぞれ分野別に最先端の知識、技術、能力を駆使し学園都市1の先駆者の育成を目指しています。そして、皆さんは超能力の潜在能力値が高く私たち開発組織に認められた人々です。さらに、ここでは毎年5つの学園から学園都市1の先駆者を決める大会が開催されます。優勝をすればあなたの望み、野望はおろか一つの国家を有することも可能なほどです。要するに皆さんはそれほどまでに期待、有望視された人材なのです。存分に自分の力を高め、世界に通用する力を磨けるように努力を惜しまぬよう頑張ってください。」
この学園のAIだというサキからこの学園についての説明があった。僕はある事情で入学することになっているため他の生徒がどんな方法で入学するのか気になってはいたが、まさかそんな手法だとは思わなかった。ということはここに居る人はみな開発組織の手がかかっているということになる。とっても面倒なことだ。とても...面倒だ。
変な鬱状態に陥っていたが、隣に座っていた人に声をかけられ目を開けた。