あの頃は
閲覧ありがとうございます。
そうねぇ、あのころも私はここに住んでいたのよ?
今日と同じ穏やかな日差しが透き通る小川の水に反射してねキラキラと輝いていたわ、それをじっと眺めていたの、まだあの頃は10代後半程だったかしら、まだ私も幼さを残していたわね、それに皆が皆一様に「美しい」と言ってくれる位それなりの容姿だったわ、それに昔は遠くに行かなくてもそこの風景が見えたりしたわね、少しでも遠くを見ようとよく脱走していたわ、そのたびに伊織がね?
「姫様~どこですか~ひ~め~さ~ま~」
と大声を出して私を呼ぶのよ、そしてよく物で釣られていたわ
「お戻りになられないのであればお菓子、私が食べてしまいますよ~」
ってね?まったく私も我慢していればもう少し遠くへ行けたというのに馬鹿だったわ
「伊織~私はここに居ますわ~、戻るからお菓子は食べないでちょうだい」
なんていつも同じ台詞で答えてしまっていたわ、また伊織も同じ台詞で
「姫様!またここにおられたのですか、何度言ったら分られるのですか、あなたは何時どこで狙われていてもおかしくない身なのです!もう少し落ち着いて下さらないと私の心臓が持ちません」
「分っているわその位、だから早く戻ってお菓子を食べないと、ところで伊織今日のお菓子は何?」
「はい、今日はもらい物です旦那様のご友人が京へ行かれたそうで、八橋を」
「そう、楽しみね」
っていつも二人で話していたわね…
「あら、もうこんな時間、そろそろお部屋に戻りなさい、また怒られてしまうよ?」
「あっほんとだ、もどらなくちゃ、おばあちゃん、おしたもおはなしきかせてね!ぜったいだよ!」
と少女は少し早口で約束を取り付ける、老婆は微笑んで
「ええ、勿論。」
と答え、それを聞いた少女は手を振りながら足早に帰っていった
「あの頃は楽しかったわね…明日は何を話そうかしら」
と老婆は楽しげに呟いた
書きたっかた感じとは少し違いますがこれもいいかも…ということでまだやります。これからもよろしくお願いします。