第9話 VS男子
その後、ぼくからリアムへの手つなぎ魔力受け渡しは上手くいっているようで、学び舎通いのきっかけとなった「ふっとう魔法」(命名:ぼく)も発動できたんだって。リアムの笑顔も増えてきて、ぼくはもちろん、お父さんとお母さんもほっとしてる。リアムがにこにこしてると、家の中が明るくなった気がするー!すきーー!
きょうもお兄ちゃんのお迎えの時間!お母さんと手をつないでリアムのお迎えに急ぐぼくです。(ピケに、お母さんとも手をつなぐけど!!って言ったら、渡そうと思ってつながなければ大丈夫なんだって。)
ちょっと遅れちゃったら、もう馬車が到着していて、リアムが5~6人の村の子たちに囲まれていた。
!!修羅場?!!
今日いるのは男子ばっかり。
男子たちは、村じゃなくて町の学び舎に通っているのもそうだけど、もともとリアムが女子と仲良く話せるのも気に入らないんだ。女子と仲良くしたかったら優しくすればいいのに、ほんと男子って分かってないよね。
ぼくのおにいちゃんに何するんだ!
男子がやいやい言ってるところに助けに行こうとしたら、そっとお母さんに肩を抑えられた。
なぁに?お母さんもいるし、大丈夫だから、ちょっと見ててみようって?
ギャーギャー騒いでる子たちよりちょっと大きくて
リアムより2つ年上の身体能力が高くてリーダー格のウィルが、リアムの抱える本を見つめる。
「…おまえ、それ読めるのか」
「うん。」
自分の好きな物に興味をもってもらえたと、ぱっと明るい表情をするリアム。
「魔法の呪文て、読むだけでも面白いんだよ!」
「ウィルくんも、一緒に読もうよ。」
意外。リーダー(ウィル)、魔法に興味があるんだな。
ウィルは嬉しそうなリアムの勢いにうっかり頷きかけたところで、騒いでる男子達の視線に気付いたようで、ふぃっと横を向いた。
空気読めるのも、周り気にして好きなことできなくてかわいそうだね。
空気読めない&好きな物の話は止まらないリアムは話続けてるけど。
「それで、こっちの本はねー、」
ウィルくんほど大人な対応のできない男子たちがまた騒ぎ出した。
「そんなのどうでもいいんだよ!」
「ウィル行こうぜ」
リアムが困ったようにくちごもるのを見て、ぼくはせいいっぱい声を張り上げた。
「おにいちゃん!!!」
ばっっっ!!!と音がしそうな勢いで全員に振り返られてちょっとひるんだけど、
リアムを助けるのはぼくの役目なんだ!
「ミカくん!お母さんとお迎え来てくれたの」
「…おにーちゃん」
じーっと凝視されてさっきよりちょっと声が小さくなったけど、
振り返ったリアムの声に励まされがんばる。
すると、次の瞬間。
なぜか頬を赤らめた男子たちがにこにこしながら
「なんだい?」
「おにいちゃんだよ」
「ぼくがおにいちゃんだよ」
「おにーちゃん…いい」
と口々に迫ってくるので引いた。どゆこと??
「なにやってんだよお前ら…」
とウィルがあきれたように言い、リアムの方を向いて、
「あー、、また今度な。」
って言った。リーダー…ちょっとぼくのリアムに馴れ馴れしくない?
ちょっぴりむっとしたけど、
「うん!!じゃあまたね!」
リアムがとってもとっても嬉しそうに笑ったから、まあ許す。




