第8話 きらきらの秘密
みんなが寝静まったあと、お布団の中で今日のできごとをふりかえるぼくです。大きくなってきたのにまだ夜型なの、そろそろ直したいのになんだか目が冴えて眠れないんだよね。
本棚なだれ事件の後、リアムはぼくと一緒にお母さんに怒られてくれて(優しい!)、一緒に片付けもしてくれながら(超優しい!!)、ぽつりぽつりと学び舎での話を教えてくれた。
学び舎でのお勉強は楽しいけど、実技がなかなかうまくいかなくて苦労してるんだって。
「ねーきらきら、おにーちゃん魔法たいへんみたい」
なんとなく精霊のきらきらに話しかけてみる。
くすっ
(だろうねぇ。まだ小さいし)
気まぐれなきらきらだけど、今日は応えてくれるみたい。
「ん?だって家ではお湯がふっとうしたんだよ?」
まぐれだったってこと?
(そりゃ僕がちょっぴり手伝ってあげたからだよ)
「え?!」
聞き捨てならない言葉にがばっと跳ね起きた。
「あれ、本当はきらきらがやったの?!」
(ちょっと魔力足してあげただけだよ)
(唱えてたからね~)
しれっと言うけど、ちょっと待ってよ。
(あの子に魔法のセンスがあるのは確かだよ。まだ魔力量が足りてないだけで)
(あと1年くらいしたらちゃんと使えるようになるんじゃない)
………ええと、もしかしてそれって、あと1年して魔力量が十分になってから学び舎に行けば良かったのに、きらきらが余計なことしたせいでお兄ちゃんが苦労してるってこと?
それでもって、ぼくがお兄ちゃんと引き離されるのが1年はやくなっちゃったってことだよね??
すべての元凶はきらきらってことじゃん!
(ま、まぁ早く知識が得られるんだからいいじゃん)
良くない!おにいちゃん今大変な思いしてるのに!!
じとーっと睨んでると、ちょっと焦ったように瞬いて
(あ、そうだ)
(きみ小さいわりに魔力量は多いんだから、分けてあげれば)
え?そうなの?
魔力量って年齢で増えるんじゃないのかな。
でも良い事聞いた!
「どうやって?どうやって分けるの?」
(え、えぇと、、手をつないだり)
え、全然つなぐけど!ていうかいつもつないでるよ!
……はっと気づく。ということは、魔法つかう時につないでなきゃいけないのかな。それだとぼくも学び舎行かなきゃじゃん!さすがに1歳児は行っちゃだめだと思う。それに、いつもぼくと手をつないでないと魔法使えないとかだと、お兄ちゃんがよけい困っちゃいそうだよ。
うーんうーんと唸ってると、きらきらが
(しょうがないなぁ…)
(きみがもう少し大きくなってからと思ってたんだけど)
(ぼくと契約したら手を貸してあげるよ)
契約!精霊と契約!!なんか聞いたことあるやつ。
でも契約するのぼくなの?それならお兄ちゃんと契約したらいいのでは。
(あの子じゃまだ魔力足りないんだよね)
(きみは体の半分くらい魔力だから大丈夫なはず)
なぬ??
(まぁ小さすぎてちょっと別の不安がね、、)
なんかモゴモゴ言ってるけど、それよりまず契約!
「契約ってどうすればいいの?」
(…ぼくに名前をつけて呼んで)
いつも呼んでるよ!
「き」
(!あ、「きらきら」とか以外で!!)
速攻却下されてしまった。
「ピ」
(!待った!「ピカピカ」とかもやめて!!!)
えー…
「ピ…ピケ!」
『!!!……あー、』
『まー、いいか』
ぼくが「ピケ」って呼んだら、ただきらきらしてるだけだったきらきらが、小さい人みたいな姿になった。目は全部が猫みたいに光ってるけど。
『…だからあんまり小さい人間と契約するの嫌だったんだよ…』
今まで頭の中にしてた声が聞こえて、ネーミングセンスがとかなんとか、ぶつくさ言ってるけど気にしない。きっと契約できたってことだよね!
「これでおにーちゃん大丈夫なの?ピケが学び舎についてってくれるの?」
『ぼくが学び舎になんてついてったら大変だよ、つかまっちゃうよ』
「じゃどうするの?」
というとピケがぼくのほっぺを突っついた。なんだかほっぺが温かくなってムズムズする。
『これでミカの魔力があの子に渡せるようになったから』
『朝送ってく時に手つないでる時間くらいで、ひとまず大丈夫でしょ』
ぼくが直接あの子に魔力渡しちゃうと勘の良いやつには気づかれちゃうからね~、とピケが続けた。
ふーん…気づかれるとなんかまずいのかな。精霊の事情はよく分からないけど、とりあえずおにーちゃんの力になれそうで良かった!!




